保険に入っててよかった!・・・本当に?
ポイントカードは本当に得になるのかどうか、先日の投稿にて述べましたが、
保険についても同じ発想で、必要不要の判断をする事ができます。
<医療保険について>
条件
40歳男性、月々の掛け金は2,100円
保障内容は、
入院日額 5,000円
日帰り手術 2.5万円
入院中の手術 5万円
もらえる医療保険に加入するのが必要かどうかを考えてみましょう。
よくある一般的な医療保険です。
<考え方>
月々2,100円と一見安いのですが、年間では、25,200円、
10年間では252,000円の掛け金を払う事になります。
例えば、
7日間入院し、入院中に手術を受けた場合におりる医療保険の保険金額は、
5,000円×7日=35,000円と手術代として50,000円の合計85,000円です。
10年間に1度、上記の条件で入院した場合、
85,000円/252,000円ですので、33.7%の還元率になります。
10年間に3回(3年に1度のペースで)上記のような入院と手術をした場合でも、
掛け金に対するもらえる保険金額が「トントン」となるだけです。
10年間に3回も、入院と手術をしますでしょうか?
ちなにみ、生まれてから65歳になるまでに入院する確率は5%といわれています。
確率論で考えると、10年間に3回の入院と手術をする事は考えにくいですね。
ただ、絶対にしないかというと、そうとは言い切れません。
不運にも超低い確率で、10年間に3回、上記のような入院と手術をしたとします。
ただそれでも、医療保険から支払われる保険金額は、
85,000円×3=255,000円程度です。
この程度であれば、わざわざ医療保険で備えなくとも、
自分の貯金で対応しても問題なさそうに思いませんか?
別のケースですが、
10年以上医療保険を使わなかった方がいます。
(累計で252,000円の掛け金を支払っているとします)
その方は、道で転んで顎を切ってしまいました。
そして、病院でその日のうちに縫合術を受けました。
入院はしていませんが、保険の対象になるのかどうか気になり、保険会社に
確認したところ、日帰り手術として2.5万円が支給されました。
保険金がおりた後、その方は、何と仰ったか分かりますか?
「やっぱり保険に入っててよかった!」
です。
25,000円もらうために、今まで252,000円も支払っており、
明らかに損しているのにも関わらず、
「やっぱり保険に入っててよかった!」
という心理になるのが、保険の落とし穴です。
(これは実際にあった事例です)
まさに、ポイントカードと同じ発想なんですね。
保険についても、感情ではなく、還元率で考えて、本当に必要なのかどうかを
冷静に考える事が必要です。
そうすると、
本当に保険に入らないといけないケースは、
「ごく限られた場合のみ」である事が分かってきます。
保険がなくとも、自分の貯金で何とかできるケースに対しては、
基本的に保険に加入する必要はありません。
なぜかというと、保険は還元率が低いからです。
つまり、保険に入ると、損をするケースの方が圧倒的に多いんです。
ですので、
確率論で考えるとほぼ起こり得ないが、ただ、その低い確率であったとしても、
万一にも生じてしまうと再起不能に陥る可能性のある事、
に絞って、損する事を前提に保険に入る、という考え方にしてください。
代表的なものは、自動車保険の対人賠償です。
勿論、事故を起こさないように細心の注意を払って日々運転していますが、
万一にも人をひいてしまうと、とんでもない賠償額を請求される事があります。
例えば賠償額が数億円に及ぶ事もありますので、
「さすがに貯金で何とかできるレベルではないので、損をしてでも保険に入っておこう」
というのが正しい判断です。
このように考えていただき、一度ご自身の保険内容を見直してみてください。