唯川恵さんの「息がとまるほど」を読みました。
個々の作品というよりは底流しているテーマや余韻といったところに興味がそそられる著書でした。
具体的なテーマではないのですが、主人公をシニカルに眺める第三者的な目や、主人公が自虐的にふるまっているかのような動きなどといったものが、サブテーマとして共通していたような感じがしました。
余韻・・・についていえば、読了後の後味が良いものと良くないもの・・・。
あるいは、一般的な価値観においてハッピーエンドとそうでないもの・・・。
まあ、白黒つけるばかりでもなく、グレーにするばかりでもなく、読み手が感じる白黒グレーの比率が、解釈によって変化する様を逆に著者さんが遠くからうかがっているような感じのする終わり方・・・。
著者さんの狙い通りの受け止め方かそれとも全然角度の違う受け止め方か・・。
印象深いというよりは、むしろ印象を残さず、なんとなく考えさせてなんとなく終わらせるような・・・そんな余韻の残し方。
筆者さんの第三者的な目が、主人公ばかりではなく、読者にも向けられている一風変わった感じをもたらしている・・・そんな漠然とした想いが残りました。
遠くから見られている・・・・・(^^♪