米澤穂信さんの「いまさら翼といわれても」を読みました。

こ、これは・・・・またやってしまったか・・・。
帯に書かれていた「不動のベスト青春ミステリー」・・・・
しかも<古典部>下にシリーズ・・・。。。
急いでいたとは言え、「青春」「古典部」「シリーズ」の3つもキーワードを見逃しては、ジャンルの想像に大きな勘違いが生じるのは仕方ないですね(^-^;

いつも昼休みに図書館へ行くとき、ゆっくり選んでる時間はないので、帯や裏表紙のあらすじにざっと目を通し、何かピンとくるものがあればチョイス決定なのですが、今回はタイトルに惹かれて、そのほかはかなりいい加減な目配りで選んでしまいました。

内容はというと、最後の最後までタイトルのエピソードが予想ができず、伏線が過剰にならない良いミステリーだと思いました。
ただ、ジャンルとしてはあまり好きなものではないのです。

何が・・・というと、中高生の目線を使い、巧みなストーリー展開ではあるものの、思考の精度が確か過ぎて、大人のしかも推理にたけた玄人の推理を思い起こさせるからなのです。

まあ、青春物を描き、卓越したミステリー作家の文章構成にかかれば、なるほど重くないミステリーとして、とても面白いのですが、普段は避けているジャンルになります。

いつも自分もその場にいるつもりで読み進める関係で、自分がいられない場所で起こる出来事に関心が薄いのか?それとも、全く自分の中高時代の頭では考えられないようなことを、主人公が考えるからか?正直リアリティが得づらく、面白みも減退してしまうのです。

そんなわけで、しばらく読み進めの足が止まり、それでも徐々に巧みな言葉達に手招きされて、読了することができて良かった・・・(^^♪

ストーリーもさることながら、青春時代の自分のエピソードをいくつも思い出すことができて、いつもの読書とは違った満足感の得られたエンディングでした。

「真実の10メートル手前」「満願」に続いての米澤穂信さんでしたが、他にもまだたくさん出してらっしゃるので、ぜひまた読んでみたいと期待が膨らみました。

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