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白石一文さんの「火口の二人」を読みました。

男女の機微を描いた小説なのか?と思いきや、もっと本質的な人間の欲望というか赤裸々な欲望を描いた小説と言った方が良いのかな?と思いました。

人間関係、生活環境、社会事情いろいろあるにしても、結局のところ欲望が満たされないと、その欲望に引き寄せられていくのだと、近頃実感しているところへ、同じような内容の著書に出会ってしまいました。

現実社会で欲望のままに生きることなんてできないけれど、それを抑え込みすぎると自分が自分でなくなる感じがずっとしてました。

かといって、今ある生活を放り出すことは現実的でなく、考えあぐねた挙句、生活を維持したまま秘密をもつことに・・・。

その秘密を維持することにだんだん慣れてくると、今度は生活そのものを変えてしまおうという気が起こってきて、そこでまた葛藤が生まれます。

多くの人にいい顔をしながら八方美人で生きることができる人は、羨ましくないけど尊敬します。
家族を養い広い人間関係を維持できる人は、羨ましくないけど尊敬します。

自分のこころのままに生きている人は、尊敬できないけど羨ましい。
何かに秀でて突き詰めていける人は、尊敬できないけど羨ましい。

人のしあわせって、結局特定の人間とだけ心通わせれば得られるものだと思います。

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