Saturday night
今日も心がすり減る音がする
毎週土曜日の夜は私にとって辛辣な時間
祖母の介護のために母と祖父母宅へ向かう
ただ穏やかに過ごしたい
それだけなのに
こんなにも難しいことなのだろうか
家族だから
家族なのに
どうして傷付け合うのだろう
介護で疲れた祖父の愚痴
一向に回復はしない介護の中で
1つずつ、1つずつ
できることが少なくなっていく
そんな祖母が嫌で、悲しくて
祖父は祖母に怒ってしまう
怒られてもできないものはできない
大切な人が傷付け合う姿は見たくない
祖母は私に
死にたい
早く迎えにきてほしい
そっと呟く
あー、まただ
心がまたすり減っていく
家族を大切にしたい想いと
どうにもできないという諦め
自分には何もできない
ただ、今日も黙ってご飯を祖母の口へと運ぶ
わざと明るい話をして
話題を逸らして
馬鹿みたいに振る舞う
それぐらいしか
自分にはできないのだから
これ以上家族で傷付け合うことがないように祈りながら
少しでもみんなが
穏やかに過ごせることを祈りながら
そんな祈りを嘲笑うかのように
祖母は今日立ち上がれなくなった
また
心がすり減っていく