伝わる文章の書き方について学ぶ 後編
前回の伝わる文章の書き方の続きです。
前編は以下のものです。
違う読み方ができないかを考える
例
悪文
私は懸命に勉強する弟に効率の良い勉強方法を教えた。とても疲れた。
修正文
私は、懸命に勉強する弟に効率の良い勉強法を教えた。私はとても疲れた。
文章を書くときは、読み手に違う読み方をされないようにしなければなりません。
そこで、文章を作成したら以下の2点をチェックしましょう
修飾関係が明確か
主語が明確か
例えば、例文の「私は懸命に勉強する弟に効率の良い勉強方法を教えた。」という部分は、「懸命」なのが「私」か「弟」なのかわかりません。
また、「とても疲れた」という文章に関しても、主語がないため「私が疲れた」のか「弟が疲れた」のかわかりません。
修正文では、「懸命」なのが「弟」であり、「とても疲れた」のが「私」であることが明確になっています。
曖昧な文章にならないようにする
例
悪文
彼は、お酒を飲んでいて言葉づかいが汚かった。
修正文
彼は、お酒を飲んでいたので言葉づかいが汚かった。
悪文では「彼の言葉づかいが汚い」ことが、普段からなのか、お酒を飲んだからなのかが分かりません。
文章を書くときは、意味が曖昧なにならないように気をつけましょう。
文章が曖昧にならないためには以下の点を意識してみると良いです。
こそあど言葉をなるべく使わない
5W1Hを意識する
保留の接続助詞「が」を使わない。
今回の例だと、書き手は、「お酒を飲んだため、言葉づかいが汚くなった」というWhyが欠けていたため曖昧な文章になっていました。
こそあど言葉と5W1Hに関してはみなさんご存知かと思いますが、保留の「が」は知っていますでしょうか。
接続助詞「が」には、逆接と保留があります。
逆接の「が」は例えば以下のようなものです。
例
新しく始めたアルバイトは忙しいが楽しい。
保留の「が」は例えば以下のようなものです。
例
新しくアルバイトをはじめたが、覚えることがたくさんある。
保留の「が」の場合は接続する文の関係が曖昧になりがちです。
保留の「が」は以下のように書き換えると良いです。
例1 新しいアルバイトを始めた。今回のアルバイトは覚えることがたくさんある。
例2 新しく始めたアルバイトは、覚えることがたくさんある。
主語と述語はなるべく近づける
例
悪文
私は、大学院生になってから、研究や講義が学部時代と比べて忙しくなったために学業に割かなければいけない時間が増えたことにより、趣味の読書の時間が減った。
修正文
大学院生になってから、私は趣味の読書の時間を減らさなくてはいけなくなった。これは、研究や講義が学部時代と比べて忙しくなり、学業に多くの時間を割かなければならなくなったためである。
文章を書くときは、主語と述語の距離はできるだけ近づけましょう。こうしないと読者が読みにくいだけでなく、主語と述語の対応が正しくないといったミスが起こりやすくなります。
悪文の最初と最後を抜き出すと「私は趣味の読書の時間が減った」となります。この文章を読むと、「私は減った」という少し不自然な文になっていることに気がつきます。
修正文では、「私は趣味の読書の時間を減らさなくてはいけなくなった。」としました。文章を言いたいことと理由の2文に分割し、主語と述語を近づけました。
同一の語尾は、2連続まで
例
悪文
私の名前は、〇〇です。
好きなものは、アニメです。
最近見て面白かったアニメは「葬送のフリーレン」です。
修正文
私の名前は、〇〇です。
好きなものは、アニメで、最近見て面白かったのは「葬送のフリーレン」です。
同一語尾は2連続までにしましょう。語尾が3回以上連続するとリズムが悪くなります。
終わりに
前後編にわたって文章の書き方を学びました。いきなり全て実行するのは難しいですが、この記事を定期的に見返して、全てできるようになろうと思います。