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はたらくということ‐きわめて個人的な事例から働くを考える‐ 学生アルバイト編

大学卒業後、4度の転職を経験しました。
今年42歳になるのでおよそ20年の社会人経験となりますが、ライフステージの変化とともに仕事を変えてきました。

結婚、出産、子育て、夫の転勤、とそれぞれ理由は違いますが、自分にとってはその時その時で切実な理由があって仕事を選んできました。

「自分のライフステージに合わせて仕事を選ぶ」一見正解に思えるし、その選択を後悔することもほとんどありませんが、自分なりに思うことがあります。
それはまるで「キッザニアのお仕事体験」みたいな仕事ぶりだな、とたまに思うのです。
こんな業界で働いてみたい、あんな仕事をしてみたい。
私にとって就職活動はイベントみたいな感覚でまだ見ぬ世界を夢見る世間知らず。
就職活動そのものを少なからず楽しんでいる節がありました。

自分にとって働くとは何なのか、改めて考えるために大学生時代から今現在までの自分の経験を振り返ってみたいと思います。

私の初めてのアルバイト先は某コーヒーチェーン店でした。
大学生になり東京で一人暮らしをするようになってしばらく経ったタイミングでした。

初めてのアルバイトだったので大学生が多そうなお店で時間の融通が利きそうという理由で選びました。

そして、仕事に慣れたら他のおしゃれなカフェやレストランでも働いてみたいな~とそんな風に考えていました。

しかし、そのお店には結局大学卒業までの4年間働くこととなりました。
ちょうど同じ時期に採用されたアルバイトの同期2人が大学1年生の同い年の女子。
そのうえ浪人して地方から上京という境遇がまるで同じな2人と出会うことになります。
大学は3人とも別々だったけどすぐに仲良くなりアルバイト先とお互いの家を行き来する4年間を過ごしました。

そんなコーヒーショップでの仕事が自分の初めての職場体験となりました。

私が働いていたコーヒーショップは朝7時オープン夜23時クローズのお店だったので働き始めて最初の頃は大学の授業が終わった後の午後や夕方くらいから働いていました。

でもほどなくして、朝の7時から授業前までの時間を働くようになります。
私はいわゆる早番という働き方が好きでした。

朝早く起きるのはつらいけど、他の同級生がまだ寝ている(と思われる)時間から働くのって気分がいい。

コーヒーショップには2大ピークタイムがあり、1つはランチタイムそしてもう1つは朝の通勤者が始業前にやってくるピークタイムです。

そこのコーヒーショップは山手線ターミナル駅の駅前にあり、朝はオープン前から行列ができるようなお店でした。

私は朝7時にお店に入ったらだいたいレジ係か提供係をしていましたが、ピークタイム時は特にチームワークが大事なのです。

レジ係がオーダーを聞いたら、すばやくトレー、ソーサー、シルバーを並べお金を受け取りお釣りを返します。
提供係はドリンクを淹れてカップを置く。

これが定型なのですが、ケースバイケースでレジ係と提供係、どちらがどう動くかをその場で判断しながら、どんどんオーダーを取っていきます。

このピークタイム時の大量のお客さんをさばいた後の達成感が気持ちよくて、朝番を好んで選んでいました。

朝のピークタイムは平日毎日来る常連さんもたくさんいました。
会社の始業前にコーヒーをテイクアウトで買っていくのです。

朝番として働いているうちにだんだんそういった常連さんの顔とオーダー内容も覚えていきます。
ブレンドコーヒー、ブラック、袋なし(カップ提供)とか
ブレンドコーヒーMサイズ、ミルク2、砂糖1、のようにオーダーを覚え、

オーダーが入る前に素早くセッティングし、「ミルクはなし、お砂糖はおひとつでよろしいでしょうか?」と念のための確認も怠らずさっと提供を済ませる。
※私が働いていた当時はテイクアウトカップを紙袋に入れて提供することがスタンダードだったため、お砂糖やミルク、マドラーなどの備品も袋に入れて渡すスタイルが一般的でした。

その際、「ありがとうございました。いってらっしゃいませ。」の一言を添える。
するとお客さんは笑顔で去っていきます。
そしてまた翌日も来てくれます。

時間にしてわずか数秒程度のこと。
それを何回も何回も繰り返してスムーズに朝のピークを乗り越える。
それだけのことでしたが、達成感と充実感を持って、朝働いていました。
そして、お客さんはどういうことに満足感を得るのか、というのを肌で体感できたこともよい経験となりました。
「私はコーヒーを売っているんじゃない。朝のいいスタートを切るためのお手伝いをしているんだ。」と一丁前に思っていました。

大学生になった時は朝からアルバイトをするなんて思ってもいませんでしたが、実際に働いてみて初めて気づいたことが2つありました。

1つは、凪の時間帯や落ち着いたお店でゆったり働くより混雑時にひーひー言いながら働くほうが好きということ。

もう1つは、夜はゆっくり家で過ごしたり友達と食事に行ったり、のんびり過ごしたい。ということ。

こういう価値観は年齢を重ねてもそこまで大きく変わることはないと思うので、いい気づきが得られたと思います。

大学生の時の自分は朝バイト、日中大学、夜フリーみたいなスタイルが出来上がっていました。
この頃から自分の働き方というのを重視していたんだな、と改めて気づきました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回は就職活動時を振り返りたいと思います。



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