思考紙片散文
取り留めなど早々に葬送、放棄し、いくらのやる気も唾棄して、思考について書かれた紙片を撒き散らすように記す。あれやこれやと、「これについて書いてみよう」としたが、テーマにするほどではなく、思考の塵箱行きの運命にあったものを、書く。
とりあえず、
「やりたいことが分からない」
老若男女に関わらず、人生に迷いう人の常套句である。これの原因はおそらく、自分と向き合わず、スタートラインを引けないから。
自分は何者なのか。最も古い記憶まで遡り人生を総括し、迷いの根本原因を突き止める。
その上で、自分がどうありたいか。何が幸せかを突き止める。それでようやく、線をひくことが出来る。そうすれば、とりあえずのゴールラインも引ける。そうすれば、そこへどうするれば辿りつけるか具体的に考えることができる。
そこから逃げると、首相官邸に襲撃するような愚行するに至るか、鳥に餌をやり糞害により近所に迷惑をかけ、TBSあたりの夕方のニュースに特集される。
自戒を込めて。
「シャンプーの詰替えボトル」
長年シャンプーとボディソープの詰替えボトルは、いつ買ったかも分からない、どこぞのシャンプーボトルだった。少なくとも5年以上、下手をすれば10年はつかっていた。
先日、シャンプーのほうが破損した。押す部品の根元がくり抜かれるかたちで。数千回押された結果だろうが驚いた。物持ちがいいということでなく、衛生的なことを考えれば、とっくに取り換えるべきなのだ。破損しなければ替えないという、単なる怠惰である、
そして無印良品の『PET詰替えボトル』を二つ購入した。透明なので、残量が一目瞭然、非常に便利。そして洒落ている。ボディーソープのほうには、Bと書いておいた。
爽やかな感動に包まれた。おしゃれシティーライフのはじまりである。
「二日連続蒙古タンメン中本」
昨日は給料日で、仕方なく『味噌卵麺』を喰らう。
本日は現金をおろし、仕方なく『北極の炎』を喰らう。
ケツが痛むこともなく、平然と、麺大盛でライスつきで、38歳の私がそれらを胃に流し込む。咽て、鼻水たらして「ごちそうさま」で退店。
ギルティな夕食を二日連続で。蒙古タンメン中本愛のままに。
「世間は三連休、明日は仕事」
完全週休二日って一般的なんですか。
私は違います。
明日は仕事です。
『HYPER ZONE ENERGY』を飲む。物凄い安直なエナジードリンクの味がします。頭がはっきりした気がするね、カフェインで。体重50キロ以下の人は飲用を控えたほうがいいらしい。
これで気合が入った。
明日も頑張ろう、食い扶持だから。
「成りて成りて成り合わぬ所がある」
「成りて成りて成り余る所がある」
「僕の余った所で君の足りない所を塞ぎたい」
古事記より。
つまり、
「君とセックスしたいです」
ということです。
奥ゆかしい表現であり、見習いたい。
「近所の自動販売機、500ミリペットボトル、180円」
嘘やろ。
ボッタくりや。
どないなってんねん、ここんところの物価。
エナジーでもあらへん飲みもんが、180円。
財務省の役人、どついたらなアカン。
つっこむなら財務省につっこまんかい。
「葛飾土産」
永井荷風のやつ。昭和廿五年(二十五年)に限定三百部の中の一冊です。
駒込の『BOOKS青いカバ』で、一万円で買ったもの。
青空文庫でも、中公文庫でも読める。安く。
だが、当時のもので、当時の旧字体、当時のレイアウト、デザインで読むことで趣きとムードを感じとりながら読むことができる。
古書で読む。
これでしか得られない文学的栄養分がある。そんな気がします。
「そろそろ終わりてぇです」
あれだ。もう時間だ。
【23:06】
だましだまし書いてきて、エナジーが切れた。
だって夜半、深更も濃さを増す増す、風のにおゐ。
こうなってはもう駄目。これ以上書いても出鱈目。もともと見切り発車の思い付き、行き当たりばったりのその場しのぎのでっち上げで子供だましの手前みそ。糞。
時空を行く旅人よ、決して振り返ることなく現実を受け入れ、寂寞とした万能感に身を任せ、世界の崩壊を達観し俯瞰せよ。お前に出来ることなど微塵もないのだから。風の吹くまま、水の流れるまま、心の轍に沿って、行きつく先がお前の末路。終着に執着せず、裸で都会を疾駆せよ。嘘で固めた真実を見ろ。すかしたバーテンダーに、吐瀉物という名のカクテルをぶちまけろ。私は世界の監視者、常に、あらゆる隙間からお前を見ている。聞き耳を立てている。逃げも隠れも許されざる世界を遊弋する一艘も、小舟の櫂は折れている。投げ捨てろ。舟を捨てろ。飛べ。泳げ。
人生はまだこれからだ。
「これはなんです? 詩ですか?」
「わかりません。虚空からでてきました」
「それはそうと終わりましょう」
「あ、はい」
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