摂食障害
入院中、母はたまに仕事の合間をぬって面会に来た。
しかし私の体調や病状を気にするでもなく
職場への不満、同僚への不満など
とにかく誰かへの不満を私にぶちまけた。
私は笑顔の仮面をかぶってひたすらその時間を耐えた。
たまに意見、例えば
”こういう風に考えたらどうかな?”等言ってしまうと
大きな声で
”ママを馬鹿にしてるの?!お前は何様か!
せっかく忙しい中来てやってるのに!”
などと怒声をあげ
ベッド周りについている仕切りのカーテンを
大きな音を立てて乱暴に閉め帰っていった。
他の患者とその付き添いの母親たちがいる中で
そういう行為をされるのは
惨めで悲しくて切なくて恥ずかしくて
本当に辛かった。
また、母は離婚後すぐに男性と交際しだした。
それぞれ長くは続かず妻帯者ともなんの罪悪感もなさそうに
交際していた。
そしてそんな男たちとデートに行く時
良き母親像を交際相手に見せるためか
男が変わる度に病院に連れてきた。
会った事もない知らない男に
”母がいつもお世話になっています。”
と言い、母にとても大事にされている良い娘を演じた。
交際相手たちは
”早く元気にならなきゃいけないよ。
お母さんも心配しているよ。”
とほんっとうにくだらない偽善を聞かせてきた。
2人の滞在時間は10分もなく
”今から◯◯にご飯を食べに行くの”
と嬉しそうな女の顔をして母は男と病室から出ていく。
母の行動はどう考えても私の精神状態に良くなく
婦長さんは母の面会謝絶を提案してきた。
でももしそれをしてしまったら
その後どんな仕返しがくるか分からない。
病室に向かってくる母のヒールの音が聞こえると
自分で自分の感情を消すようになった。
自尊心や自己肯定感
そんなものはボロボロに砕け散っていた。
1日が早く終わればいいと思いながら過ごす私にとって
14時がなぜか1番しんどかった。
なんとか1日の半分を過ごしたのだけど
それでもまだ14時。まだまだ1日は終わらない。
そう思うと胸が酷く傷んだ。
胸の痛みが取れる薬を主治医にお願いした記憶がある。
これは35歳になって
母によりうつ病が悪化した今も変わらない。
1日が早く終わって欲しい。
子供達との時間を大事にしたいし
たくさん成長を眺めていたいのに
別の心境は一刻も早く1日が終わることを願っている。
そんな事を思ってしまって子供達に申し訳ない。
いつも労ってくれる夫に申し訳ない。
自分の願いと希望と罪悪感と自己嫌悪が
ごちゃ混ぜになりながら過ごす日が多い。
Nina