忘れられない母の言葉#2
物心ついてから母によく言われていた言葉は
”あんたなんか産まなきゃよかった”だった。
私には妹がいて、私さえ産まなければ父と離婚して
子なしで自分の人生を新たに歩めたのにと。
(父と離婚したい理由は姑問題と、結婚してみたら恋愛体質な母には
真面目な父がつまらなかったらしい)
今では同じ子を持つ母として
よくそんな言葉を発せれたなと思うが
当時の私は
”生まれてきてごめんなさい。”
”私のせいでママが辛くてごめんなさい。”
と、本心から泣いて謝った記憶がある。
そして
”母が産んでよかったと思える子にならなければ”
と強く強く思った。
子供なのでとにかく勉強を頑張っていい子になろうと思った。
小学生の時には復習・予習ノートを作り
授業中には学習内容の先を自習していた。
家事も頑張った。
父のカッターシャツは私がアイロンがけしていた。
母に言われて父には内緒で。
子供にとって全てである母親からの産まなきゃよかったは
本当に本当に重い言葉だ。
呪いの様に私にまとわりついている。
自身が母になった今でもふと
虚無感に襲われる。
”不必要な私が子供を産んでしまった”
”なんでまだ生きているんだろう?”
と無意識に思ってしまう時がある。
そんな時、我が子の笑顔や声に癒される。
本当に産んでよかった、
産ませてくれてありがとうと思える。
私は母とは違う。そう強く思う。
それでも母が言い続けた言葉は
いまだに私を蝕む。
とても幸せなのに私の本質の奥底が
とても暗くなる時がある。
この様に私の心は常に不安定なループを繰り返し
強い理性が必要である。
母が発し続けた一言。
本人には重みも何もない言葉なのだろうけど
私には呪いの様にいまだに効力を発している。
それでも
この世に誕生し
我が子達に出逢えた奇跡に今日も感謝する。
nina