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不動産広告におけるDX化とLIFULL HOME’Sの取り組み

前回の記事はコチラ!


はじめに

皆さん、「DX」という言葉をご存じでしょうか。
最近は「ChatGPT」などの生成AIをよく耳にするようになり、「DX」という言葉が話題に上がることが以前より減ったように感じられますが、あらためて「DX」の定義とともにLIFULLの「DX」に対する取り組みをご紹介します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

「DX」は、経済産業省により以下のように定義されています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

経済産業省デジタルガバナンスコードより

つまり「DX」とは、インターネットやビッグデータなどのデジタル技術を活用し、今までの会社の体制を大幅に変え、お客様や社会のニーズに応えていく活動のことです。

不動産広告におけるDX化の現状

それでは不動産広告におけるDX化の現状はどのようになっているのでしょうか。
「不動産広告ではなかなかDX化が進まない」といった話をちらほら耳にします。
私たちが長年気になっている不動産広告における課題は以下の点です。

「不動産広告の運用は結局”アナログ”の作業で行われている」

”アナログ”の作業とは何か、具体的にみてみましょう。
物件を仲介している不動産会社がインターネット上で不動産広告を掲載・削除するまでの一般的なフローは以下の通りです。

① 広告入稿
物件の管理会社 or 物件オーナーに不動産会社が物件の募集状況を電話やFAXで確認のうえで、各ポータルサイトや自社ホームページなどに対象物件の情報を手入力して広告掲載
② 情報更新
広告掲載後も物件の管理会社 or 物件オーナーに募集状況を電話やFAXで定期的に確認
③ 広告削除
申し込みが入った場合は、各ポータルサイトや自社ホームページなどに掲載していた対象物件の不動産広告を手動で削除

このように、不動産広告の掲載や削除の工程には、人力による電話確認や手入力などの、アナログ作業が多い状況です。

こうしたアナログな作業は、広告の削除漏れなどのミスも発生しやすい上に、人口減少による働き手不足の日本では、不動産会社の従業員1人1人に対する業務量が増えてしまいます。

そのため、業務そのものやプロセスを見直すために、データやデジタル技術によって、効率よく不動産広告を管理できるようにする余地があると言えます。

しかし、デジタル技術を扱える人材の確保はどの業界でも難しくなっており、導入コストが高いなどの様々な理由により、業務を効率化できるシステムを導入したくてもできない不動産会社も少なくありません。

インターネットで不動産広告を行う際、業務の一部について自動化してくれるコンバーター(※)というシステムを導入している不動産会社も多くなっています。

しかしながら、物件名や賃料の更新、空室状況の確認は未だ”アナログ作業”のままであり、コンバーターの導入というだけではDX化できているとは言えない状況です。

(※)コンバーター・・・1つの不動産広告を1回の入稿で複数のポータルサイトや自社ホームページなどに掲載することができるシステム

LIFULL HOME’Sの取り組み

私達は不動産広告におけるDX化を進められるポイントについて以下のように考えてみました。

「多くの不動産会社様が今まで以上に効率よく広告を管理できる仕組みはないだろうか?そうだ!LIFULL HOME'Sにある大量の物件データを活用する時が来た!」

LIFULLが運営する不動産ポータルサイト:LIFULL HOME’Sには、500万を超える物件データが日々入れ代わり立ち代わり更新されています。

掲載されている現時点のデータだけではなく、過去分も含めたいわゆる”ビッグデータ”を活用し、便利な物件検索は当然のことながら、”AIホームズくん”や”3D間取り”など、多くの機能をお客様に提供しています。
そして私たち情報審査グループでは、以下のような施策を行っています。

施策1:同一物件の掲載状況を利用した募集終了物件検知
施策2:AIによる募集終了検知
施策3:管理会社との情報(データ)連携による募集終了物件の広告削除

施策1~3はいずれも不動産会社様の手を煩わすことなく募集終了の可能性がある物件を検知し広告を削除する仕組みです。
順番に見ていきましょう。

施策1:同一物件の掲載状況を利用した募集終了物件検知

LIFULL HOME’Sにあるビッグデータを活用し、特定の物件を複数の会社が掲載していた場合、過半数の会社が掲載終了した物件を「募集が終了している可能性が高い」と判断しています。

施策2:AIによる募集終了検知

以前ご紹介したように、LIFULLではAIによる募集終了物件の検知(※)を行っています。

私たちは「AIは使うものでは無く、共に成長するもの」と考えています。

膨大な調査物件のデータをAIに学習させるだけでなく、私達人間も「どのようなデータがあれば、よりAIは募集終了物件を検知しやすいか?」を分析を続ける事で、より効果的にAIを運用する事ができています。

その結果、年々AIによる検知率も向上しており、不動産会社様の業務効率化の助けとなるよう、さらなる検知精度の向上を図っています。

施策3:管理会社との情報(データ)連携による募集終了物件の広告削除

こちらも以前ご紹介していますが、管理会社から日々連携される物件情報を活用し、LIFULL HOME'S上の募集終了物件を速やかに広告から削除する仕組みを行っています。
大東建託パートナーズ様や三菱地所ハウスネット様など、多くの管理会社様にご協力いただきながら、不動産会社様の対応を待たずに募集終了物件を自動で削除しています。

こちらについては、過去のnote記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

これらの施策から以下のことが期待でき、LIFULL HOME'Sだけではなく、お客様にとっても不動産会社様にとってもメリットがある施策であると自負しております。

  • お客様には、
    募集終了物件が少ないため、より安心して住まい探しができる

  • LIFULL HOME’Sに掲載していただく不動産会社様には、
    業務の効率化が図れ、よりお客様とのコミュニケーションに集中できる

おわりに

前述の施策のような広告を削除する仕組みを展開することにより、「”広告収入”を柱としているポータルサイトとしての売上が減ってしまうのでは?」と、ご心配いただくことがあります。

しかしながら、不動産の表示に関する公正競争規約でも禁止されている募集が終了した物件広告、いわゆる”おとり広告”で売上を上げることは、LIFULLの企業理念である「利他主義」に反することと私達は考えています。

まずは以下のようにお客様と不動産会社様に喜びを感じていただくことを前提として、その上で売上を得られるようにしています。

  • お客様:募集終了物件が少ないため、より安心して住まい探しができる
    ⇒募集終了物件に遭遇すること無く希望の物件を見つけていただくこと

  • 不動産会社様:業務の効率化が図れ、よりお客様とのコミュニケーションに集中できる
    ⇒募集中の物件に対してお客様からのお問い合わせがきちんと入ること


個々の会社では難しいDX化ですが、LIFULLではポータルサイト事業者である利点を活かした様々な施策を通して課題を解決し、不動産広告におけるDX化を推進してまいります。
引き続きLIFULL HOME’Sをよろしくお願いいたします!

次回はホームズくんと話す!コーナーです!

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