「動物のお医者さん」02(骨標本作成)
「動物のお医者さん」
大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。
当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。
前回はこちら
約半年後
天気のいい週末
私たちの学年は解剖学教室から招集を受けたのでした。
そうです、地中に埋められたウシさんの標本を掘り起こす日が来たのです。
みんな汚れても良い服を着て集合!
ほとんどの学生は、おそろいで作ったつなぎを着てます。
獣医学部に入ると、まず飼育実習が始まります。
獣医学部で飼育している、
ブタさん
ウシさん
ヒツジさん
ポニーさん
のお世話をするのです。
馬(サラブレッド)のセリカちゃんもいるのですが、いきなり素人の我々には任せられないので、専属の方がお世話をして下さいます。
私たちはその方のお手伝いをします。
その飼育実習のために各学年でおそろいでつなぎを作るのです。
背中にイラスト付きです。
私たちのつなぎのイラストは、同級生の力作。
題名は、
『見返りウシ』
(残念ながら写真がありません)
このつなぎのおかげで、馬のセリカに鼻水を付けられてもへっちゃらなのです。
さて、今回の本題に入ります。
場面は穴掘り大会の会場
半年前に埋めた場所をシャベルで掘り起こします。
んっ?
スコップ?
私は関西出身なので、子供が公園の砂場で遊ぶ小さいものがスコップで、
工事現場などで使う大きなものがシャベルなのです。
たしか、関東は大きいものがスコップ?
・・・話が横にそれてしまいましたが・・・
作業の流れに戻りますね。
みんなで力を合わせて埋めた骨を掘り起こします。
掘り起こした骨はブラシなどを使ってきれいに洗います。
綺麗になった骨は、大きな寸胴鍋でグツグツと煮沸します。
煮沸は解剖学教室の方々がされるので、綺麗にするまでが私たちの仕事です。
実は、
この骨標本作り大会には『素敵な特典』が付いているのです!
北の大地で、天気がいい週末
学部の敷地には、広大な芝生
午前中に作業を終わらせると午後からは、ヒマ
そうなると、やることはひとつ!
ジンギスカンパーティー、こと
「ジンパ」
です!
あれっ?
「ジンパことジンギスカンパーティー」
が正解?
まぁ、どっちでもいいですね。
このために私たちは頑張ったと言っても過言ではありません!
(ウシさんごめんなさい・・・)
それも、解剖学教室の方々の
お・ご・り!
なんて素敵な響きでしょう!!
大学生協にはジンパに必要な道具一式が大量にストックされています。
それを、何と無料でレンタルしてくれるんです!
七輪とジンギスカン鍋を!
なんて学生思いなんでしょう!
獣医学部は大学の敷地の北のはずれに位置してます。
本当に「はずれ」という言葉がぴったり当てはまる場所なんです。
レンタルしてくれる大学生協は大学の敷地の一番南端。
地下鉄で二駅分も離れているんです。
広いですよねぇ。
遠いですよねぇ。
しかーし、ジンパのためなら何の苦にもなりません。
速攻で借りに行って、ついでにジンギスカンの食材もゲット!
当時はジンギスカンの肉が1キロ千円しなかったと思います。
(これもうろ覚え)
手軽で、安くておいしい!
野菜もいっぱい食べられる!
なんていったって、昼からお酒が飲める!
ジンギスカンって、なんて素晴らしいんでしょう。
学生じゃなくったって、
海水浴に行っても、海で泳ぐよりテントを張ってジンギスカン
今はおそらく禁止されていると思いますが、
当時は運動会でも校庭の端に陣取って、父兄の方々が子供を応援しながらジンギスカン
お花見に行ってもジンギスカン
(余談ですが、ゴールデンウィークにお花見ができる点も良いんですよ)
学生時代は数えきれないほどジンギスカンにお世話になりました。
ジンパ最高!!
・・・何の話をしていたんでしたっけ😅
あっ、そうでした。
骨格標本作成の話でしたね。
こうして、煮沸が終わった骨標本たちは標本室に保管されます。
私たちの教材となり大活躍してくれるのです。
さらには、解剖学の試験の時にも私たちを大いに苦しめてくれる事になるのですが・・・
そのお話しはまた今度。
おわり