文章を書く人は、クリエイターだよ。
千葉県からはるばるやってきてくれた画家のいくちゃんとの生活も三日目になった。この日は、隣町のアートの町へとお出かけ。
先日に引き続き、大好きな人同士を紹介する作戦だ。
今日、いくちゃんに紹介したい大好きな人は、音楽家の古賀小由美(さゆみ)ちゃん。
以前、小由美ちゃんのライブの様子をnoteに書いた。
まるで妖精のような可愛い小由美ちゃんは、是非是非いくちゃんに紹介したい人だった。それぞれが千葉県と大分県で生きてきて、初めて会った二人なのに、なんとまたもや共通の知り合い(シンガーソングライター)がいて、びっくり!!
素敵な人同士は、どうやっても繋がるらしい。最近の確信だ。
小由美ちゃんの夫さんは、先日とてもおしゃれなコーヒー屋さんをオープンしたばかり。いくちゃんと一緒にきたバリスタ少年のまちゃとも嬉しそうにコーヒーを注文し、コーヒー談義が盛り上がる。
ゆっくりした後は、アートの町に繰り出した。
色んな魅力的なお店がたくさんある町だ。なんと言っても、お店をやっている人が面白い。革作家のお店「paisano」さんは、息子の幼稚園の保護者さんが営んでいる素敵なお店。私のお財布もここの商品だ。
とってもおしゃれだけど、お店の店主は少年みたいなキラキラした目でノリがいい。その明るい口調に自然と私たちも笑顔と笑いでいっぱいになる。
三年前にこの町に移住してきたという小由美さんご夫婦も店主の明るさに惹かれて、この町に移住することを決めたという。
他にも、古道具や陶器、店主の作品が並んでいるお店もあり、みんな自分の好きを極めていてすごいなぁと思わず感嘆のため息が出る。
最後にまた小由美さん夫婦のコーヒー屋さんに戻り、ゆっくりとした時間を過ごしていた。
小由美さんは、私が書いていた前のアカウントのnoteを読んでくれていた一人だ。今は、他のアカウントをつくって書いていることを伝えると、「ぜひ読みたい」と言ってくれてとても嬉しかった。
すると、その話を隣で聴いていた小由美さんの夫さんが
「文章が書ける人、羨ましいです」
と話しかけてくれた。
「発信したいと思うけれど、自分で書いた文章はどうもカッコつけているような気がして、恥ずかしくなって、後で消したくなっちゃうんですよね」
その言葉を聞きながら、わかるわかると思った。4年前は私もそうだった。自分の想いを書いて、公開するのが恥ずかしくて怖くて、何度も身近な人に確認してもらってから発信していた。
それがいつ頃からか、誰にもチェックしてもらわなくても公開できるようになった。今みたいに毎日のように文章を書く日が来るとは思ってもみなかった。
先日、谷川俊太郎さんの何かの本を読んでいた時に、こんな言葉があった。
正確ではないけれど、このようなことが書いてあったとき、確かにそうだなと思った。誰にも見せない日記でも、自分は読み手になる。自然と読み手を意識する文章は、どう足掻いても大なり小なり「かっこつけている」のだ。
その言葉に出会ってから、私は大いにかっこつけていいじゃないかと思うようになった。そして、文章を書くのが楽になった。誰だって、かっこつけなきゃ文章なんて書けないのだから。
小由美ちゃんの夫さんに「文章を書けるのが羨ましい」と言われて、私は美味しいコーヒーを淹れられる夫さんやまちゃと、音楽で人を幸せにできる小由美ちゃんや、絵を描くいくちゃんや、革作家の店主さんたちが羨ましいと思っていたことに気がついた。
隣の芝は青く見える。
帰り道、なんだか嬉しくなって、いくちゃんに
「わたし、いつか本出したいな〜♪」
と冗談半分で言ったら、
「じゃあ私が挿絵を描いて、まちゃとのコーヒーパックを付録につけて、本開いたら、小由美ちゃんの音楽が流れるようにしようよ!!」
と大喜びのいくちゃん。笑
「わー、なんかクリエイターの仲間みたいで嬉しい!!」
と大喜びの私に、
「文章を書く人は、立派なクリエイターだよ!」
と言ってくれた。
クリエイターかぁ。
まだまだ書くことは、単なる趣味だし、何に繋がるかとかはわからないけれど、「好き」には違いない。こうして息をするように、書くことが続いているのだから。
最後に、今の嬉しい気持ちをピアノで表現すると言って、小由美ちゃんが即興でピアノを弾いてくれた。
美しい小川で、小さな水玉が楽しく跳ねて遊んでいるような可愛い音色が続く音楽だった。
音楽っていいな。絵も革細工も陶器もコーヒーも文章も!みんなみんな自分を思い切り表現できるって素敵だな。
そんなことを心いっぱい感じられる一日だった。