アトピーはメンタル仕事
5年生の男の子が通院しています
夏休みの初めに脱ステ脱保湿スタートしました
本人は薬を塗りたくない
という強い気持ちがありました
お母さんもとても頑張るひとでした
約3週間ほどしたら
リバウンドが非常に強く出てきて
顔を特にかきむしって書き傷がひどく
赤みも強く、感染症が気になりましたが
本人の目がしっかりしてて
友達も応援してくれて
本当に嬉しいとお母さんも言っていました
そして、一度脱ステ脱保湿のドクターに
抗アレルギー剤をもらいにかかることにしました
そこで
「よく頑張った、あと1か月くらいで大丈夫になる
すごいな、えらいな!」と褒められたそうです
お母さんも本当に泣きながら
喜んでおられました
そしてそこから思わぬ事態になりました
痒みが激しすぎて
夜の寝つきが悪くなり
昼間外に出ることもいやになり
運動不足が激しく
精神的にも気力下がってしまいました
余りに痒がるので
困ったお母さんが
痒みを紛らわせるために
ゲームや
夜寝る前までのパソコンやテレビを
許しました
その間はかゆみを忘れるからです
そして
かれは一日中ゲームやテレビに没頭するようになってしまい
どこにも行かなくなってしまいました
学童・外遊び・田舎での川遊び
全部嫌がって何もしなくなってしまったのです
彼は発症前まで
毎日ほどサッカーや野球をしてずっと体を動かしていたのですが
すっかり何もしなくなってしまったのです
友達も多く、明るく
何も言うことがないいい子でした
おまけにかゆみがひどく
夜中に痒い!と叫ぶようにもなり
1時間半ごとに起きてきて
その都度お母さんが掻いてあげて
お母さんも睡眠不足とストレスで
メンタルが弱くなっていきました
当院の治療にも「いやだ!」といって
拒否したことも何度かありました
お母さんはその時「アトピーはメンタル仕事やね」
という言葉を溜息と一緒に
行っていました
そして、入院もお願いする気持ちで
もう一度ドクターにかかりました
その時にドクターは
彼の目を見てはなしました
「今のままでは、よくならないよ
お母さんに甘えているだけだろ
そのままでは、何も変わらない
自分で良くなりたいと思うんなら
ずっとゲームするんじゃなくて
時間になったら布団に入って寝る
昼間はそてで身体を動かす
規則正しい生活をするようにしなさい
そうしないとずっと今の状態は変わらない」
そういわれた彼は
何かが変わったようで
その日は一人で何も言わずに寝て
夜中に起きてくることもなかったというのです
それでもまたすぐにダラダラしだして
もう一度ドクターにかかりました
その時はもうドクターは何も言わずに
そのままだったのです
私は彼はただ、甘えているだけだと感じました
なぜかというと
私の目を見る時、ちょっとおとなしくなることが分かったからです
お母さんの前で日たらすら甘えている
きっと彼はものすご~くいい子だったんじゃないか
お母さんの言うことを素直にきいて
あまりお母さんの手をわずらわせる子どもではなかったんじゃないか
だから、お母さんも驚いているんじゃないか
だって
小さい頃からわがままでやんちゃなら
余り驚くこともないでしょうから
だんだん本質が見えてきました
また、3歳の妹がいるけれど
とても我が強くて
自分のわがままを絶対に曲げない妹らしい
それをみていて
「わがままって通るんだ」って思ったんじゃないか
ってお母さんが言ってました
きっと彼は
これを機に
自分の押さえていた欲求を思いっきり出したんじゃないか
もっとやりたかったゲーム
もっとダラダラしたかった
もっと家にいたかった
もっとお母さんと一緒にいたかった
アトピーでいることで
それができる
痒くても
痛くても
治らなければそれができる
無意識でそういう行動をとるのではないかと思います
お母さんはもう完全にわがままだから
放っておくしかない
もう学校行かなくてもいい
搔きまくってもいい
叫んでもいい
放っておくことにしたんです
それでも薬を塗るよりまし
と腹をくくりました
そうしたら
叫んでもお母さんはかまってくれないし
痒みがマシになるわけでもないし
叫んでても
意味がなさそうということが
わかったのか
叫ばなくなりました
そして
行ってなかった学校に行くようになりました
これは本当に素晴らしい経験でした
彼とお母さんにとって
すごい経験です
どっちもよくやったと思います
なかなかできない
脱ステ脱保湿に踏み切る事
リバウンドに耐えること
痒みがきつすぎてメンタルが下がる事
暴れ、叫ぶ事
それをやっていても意味がないということに気が付く事
そして再び動き出すこと
それにすべて見守るお母さん
一緒に泣きながら息子さんと自分自身を見つめておられました
働きながら
子育てしながら
睡眠不足になりながら
本当に貴重な学びをされました
全部の過程をきちんと
学びとして通られたと思いました
アトピーをすべての学びとして
経験された素晴らしい親子
私にとっても
同じくらい素敵な経験でした