BB31
「ダーウィン事変」という漫画をある休憩室で3巻までだが読んだ。たいへん興味深い、アニメ化も決まったらしい。
主人公のチャーリーがヒトとチンパンジーの交雑一種という訳です。彼は勉強もできて身体能力も優れています。それである組織の陰謀巻き込まれて行くというストーリーは置いといて。ちょっと思ったのが、チャーリーはブッダではないのかな。彼には煩悩がない。人によく思われたいという気持ちがないから人によく見せようとしない。勉強はできるのでそれを自慢しようとしない。お金を貯めようとしない。ヒトがヒトである理由の煩悩という意識がないのです。それとチャーリーは笑わない。笑いというのは緊張と緩和で、予測と推測のズレを笑いで楽しむ。意識が予測や推測する。意識は自分の都合の良いように考えて、それを実現する為にヒトを騙したり欺いたりします。それができない時は自分の優位性を自分の中で誇示して他者を蔑(さげす)んだりします。つまりヒトはだいたい何かしら他人をバカにしてます。
しかし、チャーリーにはそんなところが微塵も感じられない。あくまで純粋で考え方はシンプルです。親しい信頼できる人が危ない目に遭いそうな時、命懸けで助ける。のような生命の危機回避がある。自分が危険なことはかえりみない。まるで勧善懲悪のヒーローみたいな思考です。
問題はこっち側です。つまりヒトの方です。ヒトは未知の動物のチャーリーが怖くて怖くてたまりません。チャーリーとは意思の疎通ができないと思っているのでしょうか。彼とは普通に会話もできるし、論理的な思考もできる。つまり話せば分かる、のに話さないで一方的に彼に敵対心を抱いている。偏見ありきの思考停止状態になっている。ニュースでも誰でも彼でも不審者扱いして知らない人は全て悪い人みたいなことを流布しているマスコミは自分らが正義みたいなつもりでいるから困ったものだ。ほとんどのヒトは悪い人ではない。稀に起こる事件を大きく何度も報道することで感情に訴えるのが仕事で真実を歪めてしまう。知らない人にどう対応したら良いのか重要な手法がある筈。例えば、必ず複数人で行動するとか、挨拶して返ってくるとか、そういうことを周知させる活動なんかすれば良いのにヒトの感情を逆撫でするような嫌な印象を強く与えるのに必死すぎて引く。
あと、連想させるのが猿の惑星で猿の世界でヒトが少数だったらどうなるよ、ってことで人権がどうのこうのって、人道的って何よって。この人道的というのがよく分からない。ヒトがヒトの都合の良いように考え出した理屈で考えようによっては、ヒトはあらゆる動物の上位に位置して優れているからその命は尊重されなければならない。みたいに受け取れる。それが論拠になって人権なるものが生まれたのか、すると奴隷制度はどうなんだ。20241111記