桜ポートレート選手権
小野「どうしよう……そろそろ花見に行こうと思っていたのに、今日の大雨で散ってしまうじゃないか」
芋子「そういうものですよ。桜は永遠ではないからこそ美しいのです」
小野「桜と言えば、Liella!の坂倉花ちゃんだけど、彼女は無事に花見に行けたそうだ」
芋子「昨日の投稿なのに『桜いつまで咲いててくれるかな〜🌸』とは……天気予報見なかったんですか?」
小野「いいんだよ!! さくちゃんは何を書いても許されるの!」
芋子「せめて、まだ満開だった頃の桜の写真を見たいです」
小野「それなら『桜ポートレート選手権』を開催しよう。SNSにはフォトグラファーがモデルを撮影した“ポートレート”が星の数ほど投稿されているけど、桜をバックにモデルを収めた写真の中から勝手に優勝を決める大会だ」
芋子「小野先輩が選ぶと嫌な予感しかしないのですが……まずは部門別にノミネート作品を見ていきましょう」
1.制服部門
1-1.始まりの予感 君に春が降る
小野「まずは王道の制服部門から、まっち・ざ・ろっくさんの作品。モデルはレイヤーの ねこみゃさん」
芋子「おお、良いじゃないですか。花びらが舞い落ちているのがポイントですね」
小野「桜は完全にボケているからあくまで主役はモデルなんだけど、正面ではなく横を向いていて主張しすぎず絶妙の塩梅になっている」
芋子「今回は女性の読者様も安心して付いていけそうですね。次に行きましょう」
1-2.もう、勝手に撮らないでよ
小野「お次はKitchen-SinKさんの作品。モデルは被写体モデルの潮見凪紗さん」
芋子「良い意味で子どもっぽいというか、等身大のJK感が出ていますね」
小野「ポイントはニットカーディガンを脱いで腰に巻いているところ。その場所が暖かいことが伝わる良い工夫だと思うよ」
芋子「スマホを持っているのは何か意味があるのでしょうか」
小野「シチュエーションを妄想すると、スマホで桜を撮っている女子をカメラで撮る男子。それに気付いた女子が『もう、勝手に撮らないでよ』と恥じらう場面じゃないかな」
芋子「知らないですけど」
1-3.桜より私を見てよ…。
小野「制服部門ラストは椎名航さんの作品。モデルはレイヤーの水瀬るるさん」
芋子「早かったですね。良い流れで来ていたのに、もう性癖を出してきましたか……」
小野「いや、本人が『私を見てよ』って言っているんだから見るしかないだろ、黒ストッキング」
芋子「そこじゃないんですよ」
小野「黒ストも重要なアイテムなんだよ。タイツでも生脚でもないということは、寒すぎず暖かすぎずの丁度良い温度感を演出している。時期的には終業式の帰り道かな」
芋子「なるほど。そうだとすれば切ない情景が見えてきますね。明日から春休みでしばらく会えなくなるわけですから。表情も少し寂しそうですし」
2.モデル部門
2-1.やはり白服が合う。そして眼鏡
小野「続いては、制服以外の可愛いモデル部門。一人目はモデル・レイヤーの根岸しおりさん。撮影者はナオヤさん」
芋子「眼鏡っ娘ですか……今更ですけど、まさか のび太君みたいな丸眼鏡ブームが来るとは思ってもみませんでしたよ」
小野「確かに眼鏡が可愛さポイントでもあるんだけど、白い服を着ていることに注目して欲しい。桜には白が合いすぎている」
芋子「ちょっと待ってそれどころじゃないです、窓の外を見て下さい。雨だけでなく風も強くなってきましたよ。もうこれ台風じゃないですか?」
2-2.あえての青
小野「モデル部門二人目は明治大学アイドルコピーダンスチーム“na-nam”所属のぽぴ🍀さん。撮影者はべんか*る☆*゚さん」
芋子「確かに被写体モデルとしては可愛いですけど、服がアクアブルーなのは良いんですか? 桜の色と喧嘩しているようにも見えますけど」
小野「桜に負けないくらい輝きたいんだよ! アイドルとしての自分をアピールしたいからあえて青で勝負に出た。その気概を評価してノミネートしたんだよ」
芋子「そんなの、どうとでも言えるじゃないですか……」
2-3.和装も良き
小野「モデル部門ラストはフリーモデルの むらさきさん。撮影者は伯雲さん」
芋子「和装! 良いじゃないですか。奈良ならではですね(ダジャレではない)」
小野「noteで表示される範囲だと見えないんだけど、クリックして写真全体を見てもらうと、ちゃんと川の水面にも反転して映っているんだよね。それも含めての良さがある」
芋子「引いたアングルなのも、桜の広がりが感じられて好きです」
3.彼女部門
3-1.あっちの池も綺麗だよ
小野「続いては彼女部門」
芋子「彼女部門??」
小野「一人目は歌い手・声優の桃奈りさこさん(1枚目に注目)。両手で俺の腕を掴み『ねえねえ、あっちの池も綺麗だから見に行こうよ』と誘っている。好きです」
芋子「違いますけど」
3-2.手を繋ごうよ
小野「彼女部門二人目はレイヤーの らいちさん。撮影者はFREELY360°さん」
芋子「これも誘っていますね」
小野「手を繋ごうと伸ばしているのがポイントだよね。本当に目の前に居るかのように見えてしまう。疑似VRかな?」
芋子「違います」
3-3.怒ってからの……
小野「彼女部門3人目は被写体モデルの しおりさん。撮影者は2244さん」
芋子「少し怒っているじゃないですか(1枚目)。恋人を怒らせちゃダメですよ」
小野「でも、2枚目では桜を見て機嫌を取り戻しているんだよ(表情が分かりにくいですが、写真を拡大してご確認下さい)。単体ではなく2枚の流れで見るとツンデレ感が出て良いね」
芋子「厳密にはツンデレとは言いませんけど」
3-4.4コマ
小野「彼女部門ラストはアイドル、CandyCross所属の小鳥遊朱寿さん」
芋子「これまた近いですね」
小野「桜の花びらに見惚れる彼女に、こっそりスマホのカメラを向ける(あえて一眼レフではなくスマホ)。それに気付いた彼女がこっちを見るまでの4コマになっている。2枚目からずっと口が半開きなのが良いね。何か言いたげな感じが」
芋子「もう突っ込む気力もありません……」
4.構図部門
4-1.桜に溶け込む少女
小野「ずっと女子メインで見てきたけど、最後は全体的な作品として素晴らしい構図部門を発表。まずは なおきさんの作品。モデルは被写体モデルの黒河まりなさん」
芋子「白い服が桜に上手く溶け込んでいて良いですね」
4-2.天使がいた
小野「お次はりょうへいさんの作品。モデルはティーンモデルのRIRIKAさん。もうこれ天使だろ」
芋子「色合いが好きですね。桜のピンク、地面の緑、そしてワンピースの白。3色が絶妙なバランスで配置されています」
4-3.満開の桜の中へ…走れ
小野「構図部門ラストは平山不二さんの作品。モデルは被写体モデルのセピアさん」
芋子「これ良い! クリックして写真全体を見れば、ちゃんと疾走感が出ています」
小野「あえて顔を見せないことで桜の美しさも引き立てている」
芋子「それが枝垂れ桜なのもまた良いんですよね。これを優勝にしましょう!」
5.優勝作品の発表
小野「落ち着いて。決めるのは俺だから」
芋子「早く発表して下さいよ」
小野「それでは発表します。第1回『桜ポートレート選手権』優勝作品は……」
(しばしドラムロール)
小野「ぶっちぎりでさくちゃんでした!!」
芋子「何この茶番……」
小野「桜と言えばさくちゃんだろ。異論は認めない」
芋子「ところで、当方128さんが4月1日に転職したらしいですけど、その話が一切noteに投稿されていないのは大丈夫なんですか?」
小野「もう一週間以上経つけど、なかなか筆が進まないらしい。人生の大事な分岐点だから、最初くらいはちゃんとしたエッセイに仕上げたいと思っていて、だからこそ悩んでいる感じかな」
芋子「じゃあ、何とか続けてはいるのですね? ブラックと名高い飲食業ですけど」
小野「ああ。何とか、だけどな……」