型式証明とTSOAとDO160
1.航空機の認証基準と装備品の認証基準
米国において、一般には型式証明と呼ばれる航空機の安全性を証明するための認証を獲得しなければ、航空機を商用飛行に用いることができません。航空機の証明要求基準は各種航空機のカテゴリー、エンジン及びプロペラのそれぞれに対して証明要求基準が規定されています。この証明要求基準のことをAirworthiness Standardといいます。一方、航空機に搭載する装備品については、Technical Standard Orders (TSO) Authorizationの制度があり、装備品単体で認証を得ることも可能です。この装備品のための証明要求基準、正確にはTSOA取得のための基準をTSOと言います。そして、このTSOは、多くのケースにおいてRTCAが作成したMinimum Operational Performance Standard (MOPS) と呼ばれるドキュメントがTSOから参照されます。整理すると、航空機の認証のための基準がAirworthiness Standardであり、装備品の認証のための基準がTSO(事実上はMOPS)という言い方もできます。
2.Airworthiness StandardとMOPS
TSOAを取得した装備品であっても無条件に航空機に搭載することはできません。これはMOPSがAirworthiness Standardの全てをカバーしていないからです。認証済み、或いは未認証の装備品であっても、インストール証明が必要とされます。この証明にはいくつかの種類があり、冒頭の型式証明、つまりtype crrificatationや他にSTCやField approvalなどの手段があります。そして、これらのインストール証明を行う時にMOPSに基づく証明が評価分析され、場合によっては追加の証明(例えば追加の試験など)を要求されることなく書類だけで、Airworthiness Standardへの適合が認められる場合があります。
3.MOPSから参照されるDO160
TSOの事実上の証明要件であるMOPSは、様々な装備品に応じてRTCAにより提供されています。一口に装備品と言っても電子機器から空盒計器など様々ですから要求される機能の要件なども様々になります。ところが、装備品が適切に作動するための環境条件(振動、温度など)は、大体は、似かよっていて、多くの場合、RTCAが航空機に搭載する装備品の環境要件について規定したDO160の各セクションに規定されるカテゴリーが指定されています。DO160のより詳細については、後日の機会に触れたいと思います。
4.まとめ
航空機の安全性の基準がAirworthiness Standardであり14CFRの各Partに示されている安全性のための証明要求基準のことです。このあたりについては前の記事にもう少し説明していますので、宜しかったらご覧ください。
そして、装備品の基準はTSOで、事実上MOPSの要求です。下記にFAA TSOのURLを参照しますので、TSO-C xxxを実際にご覧下さい。MOPSが参照されていることが確認いただけると思います。なお、MOPSは有償 documentになります。
FAA TSO
https://www.faa.gov/aircraft/air_cert/design_approvals/tso/
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