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型式証明と米国規則

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米国の型式証明制度を中心に制度の紹介をします。EMC分野に関しては、具体的な証明に有益な情報を共有します。
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2022年5月の記事一覧

型式証明における雷撃保護設計の証明プロセス

型式証明における雷撃保護設計の証明プロセス

1.背景雷撃保護設計は直接雷と間接誘導雷による影響にわけて考えることができますが、本記事では間接誘導による悪影響を証明していくためのプロセスに主眼をおいて説明します。ここでいう間接誘導とは、航空機が雷撃を受けた後、その瞬間的な大電流が航空機搭載の電子機器の機能に悪影響を与える誘導トランジェントを指しています。電子機器に悪影響を与えるメカニズムにはいくつかのモデルが考えられていますが、いずれのモデル

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雷撃保護設計と安全性解析

雷撃保護設計と安全性解析

1.背景本記事は、前回に投稿した「型式証明における雷撃保護設計の証明プロセス」からの続きになります。前回の記事では、雷撃保護設計の大まかな流れを紹介しましたが、今回の記事のトピックは、評価対象システムの特定の手法です。つまり、安全性解析です。米国規則2X.1316の証明を行なう上で、型式証明プログラムの初期の段階で、雷撃保護設計の証明要求が必要とされるシステムを特定する必要があることなどを前回記事

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HIRF(高強度放射電磁界)とAC20-158Bのopen comment

HIRF(高強度放射電磁界)とAC20-158Bのopen comment

1.背景過去記事の「型式証明とHIRF(高強度放射電磁界)」を記載したところで、これからもう少し具体的な適合性証明の内容について記載しようと思っていたところですが、2022年6月9日を期限としてFAAは、HIRFに関する解釈アドバイザリー、AC20-158をRevision-AからRevision-Bに改訂するためのオープンコメントを募集していることに気づきました。

今回の記事では、確定している

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