戦力で押したいお洒落 【毎週ショートショートnote】
「太閤殿下は小田原城を既に包囲しておる。圧倒的な戦力で押せば小田原城は早々に落ちるに違いない」
「では我らも戦力で押しますか?」
「確かに戦力で押せば、いずれは落とすことができるであろう」
「では、そのように」
「まあまあ、そう急かすな。いま城を預かっている長親は『でくのぼう』と呼ばれているそうではないか」
「左様にございます」
「力攻めしたところで詰まらぬ」
「では、いかが致しますか?」
「太閤殿下が水攻めで備中高松城を落としたように、わしも洒落た戦をしてみたいのう」
「水攻めにございますか?」
「この辺りに堤を築けば浮城にできそうではないか」
「さすがは治部少輔様。早速、堤を築いて参ります」
「のぼう様!敵は堤を築いているようにございます」
「なんと水攻めとは洒落たことを考えおるのぉ。わしは戦力で押してくるかと思っておったわ。『忍城』だけになぁ。くぅっ、くっ、くぅ~」
「のぼう様っ!駄洒落を言って笑っている場合ではございませんっ!」
(410文字)
本文はあくまでもショートショート用の創作です。「のぼうの城」のオマージュです。長親が三成の水攻めに対してどのように立ち向かっていくのか?是非「のぼうの城」をご覧になってください!
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