夏の星座案内#1:へびつかい座、へび座
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(というか、最初から台本があるのですが…)
星空の倉庫ラジオ。
こんばんは。
倉庫の番人、Voicepeakの、宮舞モカです。
今回は、へびつかい座のお話です。
ついでに蛇座もですね。
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星座のお話なので、あの、ほら、スマホのアプリ、あるじゃないですか。
空にかざすと、空に見えているはずの星座が見られるやつ。
星座表とか星空早見盤とか、それ使うと便利ですよ。
物理的な星座早見盤でもいいので、もし、用意していただけるなら、よりわかりやすいと思います。
あと、見る方角は南側になります。
富士山は南の方に見えますよね。
なんていうのは、ここが山梨県の甲府市だったら言えるんですけど、
リスナーの方がどこで聞いているかわからないので、それぞれで方角は確認しておいてください。
スマホのアプリにも、コンパスのアプリがあるので、
iPhoneなら標準で入っていた気がしますが、
Androidでも、GPSの位置確認アプリなんかをインストールすれば、それでも方角がわかりますよ。
そういうアプリを使って方角は確認しておいてください。
へびつかい座は、学校で習う星座には含まれていないので、たぶん、聞いたことが無い人も多いとは思います。
比較的最近、
でもないか。
昔、一時的にブームになった13星座占いというやつがあります。
今もあるのかな。
それで一躍有名になった星座なので、名前は聞いたことがあるという人も多いと思います。
1:55
太陽が1年かけて星座の間を動いていく道筋を、黄道(こうどう)と言います。
ここに並ぶ12個の星座と、太陽や月、惑星の配置を使って占うのが星占いです。
一方で、天文学では、星座を国境みたいに、ここまでが何座、ここの線からこっち側が何座、という境界線が決められています。
星図という、星座の地図みたいなやつがあるので、それを見ればわかるのですが、
黄道をなぞっていくと、13個の星座が黄道を横切っているのがわかります。
そのうち12個は、12星座としておなじみの星座なのですが、さそり座と射手座の間で、文字通り足を突っ込んでいる星座があるんですね。
それがへびつかい座です。
そんなわけで、黄道には13個の星座があることを発見した、とかいう触れ込みで流行が始まったのが13星座占いです。
これ、本来の西洋占星術の基礎を知っていれば、13星座占いというのが、少なくとも全然関係ない占いだ、
というのがわかるはずなんですけどね。
一部の占星術師やマスコミが、この13星座占いという新しい占いに食いついちゃって、ちょっとしたブームになっちゃったんですよね。
12星座占いも含めて、占星術の話をすると長くなってしまうので、西洋占星術の話については、別の機会に改めて、お話しすることにします。
ということで、星座のへびつかい座の話です。
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へびつかい座は、先ほども言ったように、さそり座と射手座の間に足を突っ込んでいるので、見える場所としては、さそり座の上の辺りになります。
ただ、7月中旬だと、日没の時間も遅くて、なかなか暗くならないので、ちょっと見るのは厳しいかもしれません。
わかりやすい星座ではないので、一応説明はしますが、見つけられなくても大丈夫です。
まず、さそり座を探すことから始めましょう。
真南の空を見ると、赤い、明るい星が見えると思います。
これがさそり座の1等星、アンタレス。
アンタレスのすぐ右側に少し暗い星があって、さらにもう少し右側に、縦に3つ並ぶ星があると思います。
この、縦に星が並ぶ部分がさそり座の頭の部分。
今度は、アンタレスの左側というか、下側と言った方がいいかな。
縦に3個か4個並んでから、釣り針のように折れ曲がって並んでいる星が見えると思います。
ここがさそり座のしっぽ。
星座をそれほど見たことが無いという人なら、さそり座が見つけられただけでもラッキーです。
都会の方だと、蠍座の1等星のアンタレスが見えるだけで、蠍の形も追えなかったりしますし、建物の影になって見えないということもある高さなので、場所によっては見つけにくいかもしれません。
へびつかい座は、さそり座と比べれば、ずっと見つけにくい星座になります。
場所は、さそり座の上側にあるのですが、さそり座のアンタレスの横あたりから、さらに上に向かって40度ぐらい、さそり座本体と同じぐらいの幅、20度ぐらいの範囲の場所になります。
へびつかい座の一番上には、ラスアルハゲという、2等星があるのですが、2等星という、割と平凡な星なので、まずこれが見つけにくいです。
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ちょっと東の空に移って、夏の大三角から辿ることにしましょう。
東の空、正面が南なら左手側ですね。
その方に向きを変えます。
東の空、高さ60度ぐらい、ちょっと場所や時間にもよりますが、明るく白く輝く星があると思います。
これが、こと座のベガ。
もし、右上の方にさらに明るい星があるよ、という人は、たぶん、はくちょう座のデネブを見ています。そちらの右上の方の明るい星がベガです。
空の条件が良ければ、ベガのすぐ下に平行四辺形に並ぶ星があるのがわかると思います。
織姫の機織り機です。
そこから、右下側に30度移動したところにある、明るい星が、わし座のアルタイル。
少し暗い星に挟まれている明るい星です。
これがわし座のアルタイル。
暗い星が、従えている牛です。
このベガとアルタイルを結ぶ線の20度ぐらい左側にある、明るい星が、さきほど間違えた、はくちょう座のデネブ。
この、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブの3つの星が作る三角が、夏の大三角です。
そして、ベガとアルタイルを結ぶ線の、はくちょう座のデネブとは逆側。
逆側の30度ぐらい離れたところにあるのが、へびつかい座のラスアルハゲです。
夏の大三角を見つけて、はくちょう座側とは反対に折り返して見つけるのがコツです。
へびつかい座のイメージとしては、このラスアルハゲを頂点とした、ネックレスのように、少し縦長で、丸く星が並んでいる感じの並びになります。
体の大きさは、幅が20度ぐらい、高さが30度ぐらいになります。
結構大きな星座ですね。
割と空が暗くないと、へびつかい座の形を辿るのも難しいので、この辺にあるんだな、というのがわかれば大丈夫です。
8:27 神話
さて、へびつかい座の神話ですが、医者のアスクレーピオスの星座です。
お医者さんですね。
アスクレーピオスは、とても優秀なお医者さんです。
ケイローンという、下半身が馬になっている、ケンタウルス族という怪人がいて、これが射手座になっているんですが、このケイローンが優れた才能に恵まれたことに神々がほれ込んで、ありとあらゆる知識をケイローンに伝授しました。
このケイローンを師匠にした、医者のアスクレーピオスもまた、めきめきと医学知識を習得していきます。
そして、他の医者に見捨てられた重病人も治したり、知恵の女神アテナからさずかったメデューサの血によって、死んだ人をよみがえらせることもできるようになっていったのです。
ところが、冥界の王様ハデスから、人の生死の定めを勝手に変えるのは、神でも許されないことだと、大神ゼウスに抗議が行ったのです。
さすがに死者をよみがえらせるのは、世の中の秩序を乱すことだと判断した大神ゼウスは、アスクレーピオスに雷(いかづち)を投げて、殺してしまいます。
しかし、その医者としての功績を認めて、星座になったと言われます。
9:56 アスクレーピオスの杖
スマホの星座を見られるアプリを使って見ている人はわかると思いますが、へびつかい座は、蛇を両手で押さえつけている格好をしています。
その蛇が、へび座という星座となって、へびつかい座の両側にあります。
アスクレーピオスは、この蛇の毒を使って治療していたと言われます。
星座の形ではない、別の恰好では、杖に蛇を絡ませている姿も描かれています。
この、蛇が絡んでいる杖は、アスクレーピオスの杖と呼ばれていて、医療や医学のシンボルとして描かれていることが多いです。
WHO(世界保健機構)のロゴだとか、救急車に描かれている青い星印、スターオブライフにこの蛇と杖が描かれていたりします。
なんか調べてみたら、蛇が2匹絡んでいる杖もあって、そっちはヘルメスの杖と呼ばれるカドゥケウスというやつで、別の由来の杖だそうです。
蛇が1匹のやつが、アスクレーピオスの杖という、医療のシンボルですね。
11:26 エンディング
こんな感じで、今回は、へびつかい座について、話をしてきました。
最初から、かなりわかりにくい星座でしたが、いかがでしたでしょうか。
それではまた、お会いしましょう。
パーソナリティーは、voicepeakの宮舞モカでした。
おやすみなさい。
中の人による解説の解説
stand.fmでの星座案内 第一回目は、へびつかい座とへび座。
7月13日の定例観望会テーマのひとつが「へびつかい座を探そう」という、マニアックなネタなので、へびつかい座を選びました。
観望会では誰かが(もしかしたら自分が)「あれがへびつかい座です」とかやると思うので、ネタかぶりを避けるためにも現場で垂れ流す音声としては、星座そのものを案内するパートはカットする予定です。
梅雨時でもあるので、最終的な編成がどうなるか以前に、まるごとボツになる可能性が高いです。(現時点での週間天気予報では雨予報)
わかりにくい星座を選んだこともありますが、星座の探し方も1つのネタとして切り出したいところですね。
必ずしもすべての人にわかりやすい内容は作れませんし、観望会の現場でこの音声のクオリティで解説できるのかと言われたらできません。
そもそも天文マニアは神話に弱いです。
そこを補完するために作っている番組です。
10分ちょっとの内容で約3500字。
著作権もあるので、台本はどこからか拾って切り貼りするわけにもいかず。全部書き起こしです。
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