ハングルの仕組み(6)パッチム(3)
今回は、ほぼ「(あ)っ」にしか聞こえないやつ 3種です。
앋악압の3つ
앋…これは、「あった」の「あっ」と同じ発音になります。
악…これは、「あっか(悪化)」の「あっ」と同じ発音になります。
압…これは、「あっぱれ」の「あっ」と同じ発音になります。
舌の位置(口を閉じるかどうか)を意識しながら発音すればわかる通り、これらは、안,앙,암と舌の使い方が対応しているのがわかると思います。
鼻を通すか、息を一瞬止めるかの差です。
韓国語の「っ」の例
ピビンパ…代表的な韓国料理のひとつです。
ハングルでは비빔밥
비빔(pibim)が混ぜる、밥(pap)が飯です。
混ぜ飯という意味ですね。
ビビンバと言ったりもします。
飯の意味の밥がp子音で終わる発音です。
비빔밥の発音を、復習を兼ねてトレースしてみましょう。
ㅂは平音なので、濁音を言うつもりぐらいの弱いp子音。
ㅣは、i母音。
合わせてピというかビというか、濁ってはいないのですが、微妙な発音です。
次のㅂも平音です。前のi母音から、次のi母音(ㅣ)まで母音発音をしながら(喉から出る声を維持しながら)弱いp音を発声してb音に聞こえる感じで。
ㅣは、i母音。
ㅁは、口を閉じるタイプの「ん」。ムを言う感じで口を閉じて「ん」。
次のㅂも平音なので、前のi母音から、次のi母音まで母音発音をしながらp音を発声するので、これまたb音に聞こえるぐらいの強さ。
ㅏは、a母音。
パッチムのㅂは、口を閉じる「っ」で、p子音のみとなります。
日本語にはたくさんの「っ」がある?
「ん」のところで述べた通り、日本語には、5-6種類もの「ん」が存在します。
言い分けるポイントは、舌の位置や口を閉じるかどうかです。
もちろん日本語の「っ(小さい「つ」)」の発音も、韓国語以上に種類があるのですが、どんな種類があるかの話というのはありません。
そもそも促音は外国語一般には珍しい発音=外国人にとって発音しにくい発音だそうで。
たとえば「あった」をハングルで書き表そうとすると「あっ」までが앋で、「った」側が따という割り振りになります。
日本語のように「あ・っ・た」に分かれません。
英語のcatは「キャット」だろ?
と思いたいところですが /kˈæt/ という発音です。
k子音の次にアとエの中間音æ、t子音という並びの発音です。
英語の発音上、アクセントのある母音が伸びるので、「キャーッ」みたいな発音になります。あくまでもt子音で終わってる単語でしかありません。
冷静に考えると、catがなぜ「キャット」という仮名表記になったのか(トがどこから来たのか)、よくわかりませんね。たぶん、日本語として子音で途切れる発音が無いので、t音を目立たせるためにo母音を付加したと思いますが。
猫の英語の発音の話はさておき。
促音=「息を止めている時間として1拍消費する発音」が外国語一般には珍しい発音です。
韓国語のパッチムも、子音で途切れる(母音のない)発音でしかないので、日本語の促音とはちょっと解釈が違います。
앋…t子音で終わる発音
악…k子音で終わる発音
압…p子音で終わる発音
という扱いです。
日本語には子音で終わる発音が基本的に「ん」と「っ」しかないので、日本人として促音で考えた方が発音が似やすいってだけです。
実際に聞いた感じとしては、앋,악,압が「あっ」に聞こえます。
안,앙,암と同じような舌の位置での切り分けがされているわけで
この辺の理屈については、ハングルを作った世宗(セジョン)大王は、よく分析しているなぁ、と感じます。
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