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ハングルの仕組み(6)パッチム(2)

御無沙汰しております。
多忙すぎて更新が進まず。
もちろん、自分の韓国語の勉強は何一つ進んでおりません。


それでは、具体的なパッチムの話に入ります。
発音としては、第二子音となるやつです。

パッチムの発音は7種類

発音は、大きく分けて3系統あります。
子音だけというのも発音しにくいので、あ(아)にパッチムを付けてみます。

ほぼ「(あ)ん」にしか聞こえないやつ 3種
안앙암

ほぼ「(あ)っ」にしか聞こえないやつ 3種
앋악압

ほぼ「(あ)る」に聞こえるやつ 1種

この3系統、7種類です。
文字はもっとあるのですが、発音は7種類だけです。

パッチムは、必ず下側に置かれる

同じ発音になるパッチムは次回以降で。
まず、ほぼ「(あ)ん」にしか聞こえないやつを攻略しましょう。

韓国語の「ん」には3つの種類がある

まず、「(あ)ん」の方から。

…これは、「あんない(案内)」の「あん」と同じ発音になります。

…これは、「あんがい(案外)」の「あん」と同じ発音になります。

…これは、「あんまり」の「あん」と同じ発音になります。

全部同じ「あん」じゃないか…と思ったかもしれませんが、「ん」を言うときの舌の位置が違うはずです。

「あんない(案内)」の「ん」は、上前歯の裏に舌先が接触していると思います。


「あんがい(案外)」の「ん」は、舌先が下前歯側にあって、舌の奥が盛り上がっていると思います。

「あんまり」の「ん」は、口が閉じていると思います。

これらは、外国語一般に区別される発音となります。

いろいろな「ん」の例

ソウルにある明洞(ミョンドン)は、ハングルで명동と書かれます。
ㅇパッチムが付いてますね?どちらも「あんがい(案外)」の「ん」の発音をします。

明洞(ミョンドン)をローマ字で書くとMyeongdongと書かれます。ㅇパッチムの「ん」は、ローマ字ではngと書かれるからです。
発音はミョンドンぐ(※「ぐ」は発音しない)と言う具合にすれば、正しく発音できると思います。

韓国語の「こんにちは」である「アンニョンハセヨ」。
ハングルで書くと안녕하세요.
안(アン)の「ン」は、上前歯の裏に舌先が来る「ん」。
녕(ニョン)の「ン」は、舌の奥が盛り上がっている「ん」。
同じ「ン」でも発音が違います。
「またね!」という意味での別れ際に「アンニョ~ン」と言ったりもしますが、後ろのンを、舌の奥を盛り上げて塞ぐようにすると、よりネイティブっぽい発音になります。

中国語も同様の区別があって、香港(ホンコン)が英語でHongkongとなるのも、上海(シャンハイ)がShanghaiとなるのも、「あんがい(案外)」の「ん」の発音をしているからです。

なお、日本語は表記上区別しないので、どんな発音をしていても、日本語のローマ字ではnとしか書きません。

それでも、実際の日本語の「ん」は、一つの発音ではなかったということです。

日本語の「ん」は、韓国語以上に種類がある

詳しい話は後程しますが、小見出しにあるように、実は日本人、韓国人よりも多彩な「ん」を発音し分けています。
ですから、それぞれの안(アン)と、앙(アン)と、암(アン)を発音し分けるのは簡単です。
ただ、日本語は「ん」の後ろの子音に応じて発音を切り替えていますが、韓国語は後続する子音に関係なく文字通りに発音するので、注意しましょう。

そして、日本人はすべての「ん」を鼻音ひとくくりで認識してしまうので、なかなか聞き分けができないという問題点もあります。
これは慣れていくしかありません。

ま、聞き分けは努力はするものの、できないとあきらめて、同音異義語感覚で聞き取っておいて、発音だけは正しくできるように意識しておくぐらいが良いのかなぁ、と思ってます。

発音の仕組みがわかっていないと、聞き取るコツも掴めないので。



6種類もある日本語の「ん」

これを読んでいるのは日本語ネイティブの人でしょうから、改めて日本語の多彩な「ん」の発音の仕方を学ぶ必要はちっともありません
軽く流してもらっていいです。

歯茎鼻音(n)
 舌先が上前歯の裏(歯茎)に接触させて、鼻から声を出す発音。
 次にタ行音(チを除く)、ダ行音(ヂを除く)、ナ行音(ニを除く)、ラ行音、ザ行音(ジを除く)
 案内、単独、煩悩 など
 韓国語のㄴパッチムの発音です。

軟口蓋鼻音(ŋ)
 舌の根本あたりを上顎の柔らかい部分(軟口蓋)に接触させて、鼻から声を出す発音
 次にカ行、ガ行が続く場合の発音。
 案外、運河、考え など
 韓国語のㅇパッチムの発音です。

両唇鼻音(m)
 唇を閉じて鼻から声を出す発音。
 次にバ行、パ行、マ行音が来る場合
 深部、心配、あんまり など
 韓国語のㅁパッチムの発音です。

口蓋垂鼻音(ɴ)
 口先は少し開いていて、舌の奥が喉の奥まで伸びて音を止めて、鼻から声を出す発音。
 自然に「ん」で終わる発音。
 円、パン、県 など
 韓国語にはこの発音はありません。

歯茎硬口蓋鼻音(ɲ̟)
 舌先が上前歯の少し後ろ(歯茎硬口蓋)に接触させて、鼻から声を出す発音
 チ、ジ、ニが続く場合。
 安置、園児、筋肉 など
 韓国語にはこの発音はありません。

鼻音化接近音(ɰ̃)
 舌を上げて空気を通りにくくしながら、口と鼻から声を出す発音。
 口を塞いで鼻からいないため、これを日本語の「ん」の発音として認めるかについては意見が分かれます。
 韓国語にはこの発音はありません。


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