ハングルの仕組み(6)パッチム(4)
「彼を知り己(おのれ)を知れば百戦殆からず」は孫子の言葉だそうで。
単にハングルのㄹと己(おのれ)にひっかけただけですが。
ちなみにハングルの「ㄹ」の記号をリウルと言います。
文字通り、戦う相手と自分についての両方を知らなければ、安定して勝つことができないとする言葉。
これを読んでいる人の多くは、韓国語を知りたくて読んでいると思います。
本当に「韓国語を学ぶため」ですか?
外国語を華麗に操っているのがカッコいいからですか?
推しと直接会話ができるようになりたいからでしょ?
それでいいんです。
ガチに個人的な理由で。
言葉は手段であり、道具でしかありません。
手段と目的を間違えないようにしてください。
(彼を知れ)
外国語を学ぶメリット自体、本来は何もないのです。
言葉の違いがコミュニケーションの障壁になっているから、それを取り除くだけ。
外国語を扱えるようになれば、その障壁が無くなって直接コミュニケーションができるというご褒美が得られます。
もちろん、そのご褒美を得られるようになるまでは、長い道のりになります。
いくつもの石につまづき、壁に行く手を阻まれるでしょう。
そのとき、自分の頭が悪いと決めつけて挫折するのはもったいないです。
(己を知れ)
今の時代、いくつもの迂回路がありますから。
もののついで
さて、ㄹ(リウル)が出てきたついでで説明すると、ハングルの個々の記号にはそれぞれ名前があります。
となっています。
ずらーっと書き並べてみましたが、全部覚えなくていいです。
私も覚えてません!
ただ、太字で書いたやつが、あとで不規則活用の名前として「ㄹ(リウル)不規則」「ㅎ(ヒウッ)不規則」なんていう名前で出てきたり、「ㄴ(ニウン)挿入」なんていう語形変化を起こすときに出てきます。
太字のところだけ覚えておきましょう。
最後の砦、ㄹパッチム
では、具体的なパッチムの話をすることにしましょう。
今回はㄹ(リウル)パッチムをとりあげます。
最後の砦と言うか、説明が最後になっただけで、特に難しくありません。
알の発音は「アル」のルに母音を付けない感じの発音:ルを言おうとして母音を出す前に止める感じです。
英語のL音に近くて、上前歯の後ろに舌が付く感じの発音になります。
ん-。これだけだな。
パッチム全般に言えるのは、母音を継ぎ足さないこと。
ㄹパッチムの例
韓国の首都ソウル(서울)
これもㄹ(リウル)パッチムで終わる発音です。
焼肉でぜひ食べたいのがカルビ(갈비)
ちなみに「あばら骨」という意味です。
サムギョプサル(삼겹쌀)もㄹ(リウル)パッチムです。
かなり適当になってきた…。
他のパッチムの書き方と、二重パッチム
パッチムの発音は7種類ですが、書き方は27種類もあります。
パッチムの位置に1個しか子音が来ないやつと、2つ並んでいるやつがあります。
子音字が2つ並んでいるもの(ㄵ, ㄶ, ㄻ, ㄳ, ㄺ, ㅄ, ㄿ, ㄼ, ㄽ, ㄾ, ㅀ)を二重パッチムと言います。
ネイティブの韓国人も、二重パッチム全部答えてと言っても出てこないそうなので、覚えるのは出たこと勝負で良いかと。
ほぼ「(あ)ん」にしか聞こえないやつ
ㄴ ㄵ ㄶ
안(앉, 않)
ㅇ
앙
ㅁ ㄻ
암(앎)
ほぼ「(あ)っ」にしか聞こえないやつ
ㄷ ㅌ ㅈ ㅊ ㅅ ㅆ ㅎ
앋(앝, 앚, 앛, 앗, 았, 앟)
ㄱ ㅋ ㄲ ㄳ ㄺ
악(앜, 앆, 앇, 앍)
ㅂ ㅍ ㅄ ㄿ
압(앞, 앖, 앒)
ほぼ「(あ)る」に聞こえるやつ
ㄹ ㄼ ㄽ ㄾ ㅀ
알(앏,앐,앑,앓)
二重パッチムは、ㄻ,ㄺ,ㄿ以外は、左側の子音で発音されると覚えておきましょう。
二重パッチムは、昔、馬鹿正直に両方の子音を発音していたらしいです。時代の流れで片方しか発音しなくなったそうですが、時代の変化で片方が発音されなくなったという都合、二重パッチムについては、たまにルール通りに発音されない単語があります。
とりあえずこんな種類があるよ、ということで。
単語を覚えるときに、その都度覚えた方が手っ取り早いと思います。
これですべてのハングルをマスター!
ということで。
子音字19個×母音字21個×パッチム27個(パッチムなしの分+1)=11172個
のすべてのハングルをマスターしたことになります!
発音を絡めたので、かなり長い話になってしまいました。
ハングルってこうなっているのか、とか、韓国語の発音って結構ややこしいんだなとか、その対比として、実は日本語って日本人が思っているほど発音は簡単ではないんだなー、ぐらいは理解できたかと思います。
説明していないこともまだあるのですが、ひとまずハングルという文字についてのシリーズは、終了とすることにします。
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