ハングルの仕組み(5.1)「か」と「か」と「か」は発音が違う
納得いかないポイント一つ目。
「か」の発音をするハングルが3つあること。
「た」「ぱ」「じゃ」も同じ。
なぜ同じ発音をする記号が3つあるのでしょうか?
答えは簡単です。
韓国語が外国語だからです。
日本人の耳には同じに聞こえてしまうけれど、韓国語では発音し分けられ、聞き分けられ、それぞれの発音に対応する文字があるということです。
日本語はそれらの発音を区別していないので、同じに聞こえてしまっているだけです。
英語のL音とR音のようなものですね。
発音できないと聞き分けられない
日本人は、英語のLaの発音を聞いてもRaの発音を聞いても同じ「ラ」の仲間の発音として「ラ」の箱に入れて理解しようとします。
LightもRightもカナにすると同じ「ライト」という表記になります。日本人は光のライトと、右のライトをどうやって区別しているかと言えば、同音異義語として文脈で判断しています。
同じ「ラ」と聞こえる発音だから、LaもRaも一緒。文脈で何とかなるよね、と考えてしまいます。
だから、LaとRaを発音し分けられないし、聞き分けもできないのです。
英語のリスニングをするには、LaとRaを日本語のラの箱に押し込めるのではなく、新たにLaの箱とRaの箱を作って振り分けなければなりません。
Laの箱とRaの箱を作るには、それぞれの発音が、どのように発音しているかを知らないといません。
ちなみにLaの発音は、舌先を上前歯の裏(歯頚(しけい))に接触させます。
日本語のラの発音は、上顎の硬い部分(硬口蓋(こうこうがい))に接触さっせます。似て聞こえますが、厳密に言うと違う発音です。
Raの発音は、舌を奥に引っ込めた上で、どこにも接触させずに言うラで、かなり「ウァ」っぽい発音になります。
가と카と까はどう発音しているのか
「か」(가と카と까)を例にします。
「か」の発音は、韓国語では3種類の言い分けをしています。
それぞれ、平音(へいおん)、激音(げきおん)、濃音(のうおん)と言います。
今回は、一般的な説明順に逆らって、発音にコツが要る、激音(카)と濃音(까)の発音法を説明します。
ある意味、コツをつかめば、できてしまえる発音です。
激音 ㅋㅌㅍㅊㅎ
激音は、ハ行音と同時に発声する発音をします。
카は、「か」と「は」を同時に発声します。息を吐く動作に「か」を乗せた感じと思ってもいいです。
韓国語でコーヒーは커피と書いて、コピという発音をしています。
coffee(カフィ)を音訳したのだと思います。
コーヒーが韓国語でコピと発音されることに違和感がありますが、日本語だってcoffee(カフィ)をコーヒーと読んでいるのですから、他人のことは言えません。
コ(커)の発音は、息を吐きながらk音を発音し、母音はㅓなので、口はアの形でオを言う発音です。口は「カ」のつもりで動くけれど、発音は「コ」、しかも息を吐くという感じです。
ピ(피)の発音も、息を吐きながらp音を発音し、母音はㅣなので、そのままイの発音です。息を吐きながら言う「ピ」です。
コピと言いながら、裏でハヒを同時発音している感じですかね。
表題画像に登場したカフェ(喫茶店のこと)も카페と書きます。
カ(카)の発音は、息を吐きながら言う「カ」です。
ペ(페)の発音も、息を吐きながら言う「ぺ」です。
激音の中にあるㅎですが、하は、説明上「は」と「は」を同時に発声するという、ちょっと意味不明な状態になります。
これは、どちらかというと「は」という発音をしているわけではなく、息を吐く動作が「は」に聞こえるという感じです。
日本語のハ行音は、割としっかり発音されますが、それに比べれば韓国語のㅎ子音は息を吐く動作に専念している印象です。
濃音 ㄲㄸㅃㅉㅆ
濃音は、一瞬息をとめてから、パっと発音する感じの発音です。
日本語で言う、促音(っ)を前に置いたような発音になります。
까は、「っか」のような発音で、これを1拍で発音します。「っ、か」ではなく、一気に「っか」です。
アンニョンハシムニカ(안녕하십니까)の「カ」は濃音で発音されています。より正確に言うならば、アンニョンハシムニッカと発音しています。
日本語には促音(っ)という発音があるので、濃音は割と簡単に理解できます。
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