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流れ星を見よう(ペルセウス座流星群)

■前提

この内容は、2024年8月10日、土曜日、ペルセウス座流星群を見るイベントを想定した内容となっています。
時間帯は、19時から20時30分。
本格的に暗くなるのは20時頃からになります。

当日は月齢が6の半月なので、流星を見るには深夜になってからの方が向きますが、現実そうも言ってられないので、いつもの時間帯に設定されています。
もちろん、山の上のような暗い場所の方が良く見えます。
会場の都合、比較的市街地側になっています。
流れ星は、どこを飛ぶかわからないので、観察する場所を選ぶ場合は、なるべく広い範囲が見える場所が望ましいです。
季節柄、虫よけなども用意しましょう。
蚊の餌食になりやすいです。
空を広く見渡せるほうがいいので、寝ころんで空を見られるように、レジャーシートもあると便利です。
望遠鏡は必要ありません。肉眼で見えないような、非常に淡い流れ星も見えなくはないのですが、視界が狭くなるので、むしろ見える確率が下がります。


本編 書き起こし

2024年8月10日、今夜は、流れ星を見ようということで、お話していきたいと思います。

■流れ星とは

見たことありますかぁ?
ほんの一瞬、星が流れて1秒足らずで消えてしまう星です。
流星とも呼ばれます。
あと、空を眺めていると、ゆっくり動いていく星もありますが、それは人工衛星です。
チカチカ点滅して飛んでいるのは飛行機です。
流れ星は、一瞬だけ、すっと現れて、1秒足らずですぐ消えてしまいます。
あっ、見てぇ、と言った時にはすでに消えています。
だから、声をかけられて空を見ても、流れ星は見られません。
見られるのは、ほんの一瞬だけです。
空のどの辺に、いつ、どのぐらいの明るさで見えるかの予測ができないので、現れるまでひたすら待つしかありません。
どの方向の方がよく見えるとか、たくさん見られるとかいうのも無いので、できるだけ広い範囲で見渡せることが大切です。
だから、寝転がってみるというのも、たくさん見るためのコツのひとつです。
レジャーシートを持ってきたという方は、ぜひ、寝転がってみてください。

■スピカ食
あと、オマケ情報ですが、今日、8月10日は、スピカの食が日本の多くの地域で見られます。
おとめ座の一等星、スピカが月に隠される現象です。
西の空に月が見えていると思いますが、月のすぐ近くに星が見えていると思います。
それが、おとめ座のスピカです。
でも、ここ、岩手県では、スピカがギリギリ月の上を通過するので、スピカが月に隠される現象は観測できません。
宮城県大崎市から、山形県村山市を結ぶ線より南側の地域でスピカの食が見られます。
月に隠されませんが、だいたい20時35分頃に一番近づいて見えます。

■願い事はかなう?
さて、流れ星は、消えるまでに3回願い事を唱えると願いが叶うなんて言われます。
でも、願い事を唱えられるほど長くは見えていません。
たとえば、「お金が欲しい」を3回言う時間を計測してみましょうか。
あ、「お金が欲しい」というよりも「金欲しい」と言った方が短いですね。
では、いきます。
金欲しい!金欲しい!金欲しい!
はい。えーっと、2.05秒もかかってますね。
2秒切れなかった。
たいていの流れ星は1秒足らずで消えるので、願い事で大金持ちになるのは無理のようです。
たまにものすごく明るくて、一,二秒も見える、火球と呼ばれる流れ星が飛ぶこともあるのですが、それなら間に合うと思うでしょ?
うわー、って感激して言葉が出ないです。
とても明るいので、緑色や赤い色なんかの色も見えてきれいなんですよね。
そういうわけで、流れ星への願い事はかなり難しいです。
でも、たくさん見られたらいいですよね。

■たくさん見られるタイミング
今回は、ペルセウス座流星群を見ようということでお集まりいただいてますが、ペルセウス座流星群のピークは明後日の8月12日の深夜から8月13日にかけてになります。
ピークとなる時間から離れるほど見える数は減ってしまいますが、ペルセウス座流星群自体は、7月17日頃からチラホラ見え始めて、8月24日頃まで観測される、割と長い間見られる流星群です。
増え始めるのは8月中旬から。
比較的多く見られるのはピークとなる8月12日から13日の前後二三日の間です。
8月9日から16日あたりにかけてなら、割と見られる感じです。
特にたくさん見たいというなら、今年は極大時刻が8月12日の23時ごろと予想されています。
8月12日の23時ごろですね。
明け方に近い方が見えやすくなっていくので、そこから13日にかけてが多く見られるのではないか、と予想されています。
8月12日は、上弦の月なので、21時を過ぎた頃には月が沈んで、絶好の条件となります。
さらに山の上などの条件が良い所ならば、1時間あたり50個から100個ぐらい見られると言われます。
今日はピークの日と少しずれていることと、まだ月が見えているとか、そういう条件もあって、暗い流れ星が見えにくいので、1個か2個見えればラッキーぐらいでしょうか。
ピークのときは、平均すると1分間に1個ぐらい見える確率になるのですが、割とランダムに飛ぶので、数十秒の間に立て続けに3つ流れるような場合もあれば、10分ぐらい全く飛ばないとか、普通にあります。
明るい流れ星となると、さらに確率が減るので、15分から20分ぐらい粘っていれば、1個ぐらいというつもりで観察するといいです。
1時間に100個とかいう予報は、本当に最高の条件のときの数なので、実際はずっと少ないです。

■ペルセウス座流星群の由来と流星群の分類
ペルセウス座流星群は、ペルセウス座のあたりから飛ぶように見えるので、ペルセウス座流星群と呼ばれます。
カシオペヤ座の少し南側から飛ぶ感じです。
流れ星がどこから飛ぶかという場所を、専門的には放射点と言います。
ちなみに放射点となっているペルセウス座は、今は北北東の地平線ギリギリあたりに見えています。
そこから飛ぶように見えるので、だいたい北東の方向から南西に向かって飛ぶ流れ星がペルセウス座流星群の流れ星ということがわかります。
ペルセウス座の方向を見ていれば良く見えるかというとそうでもないので、空の真上を見上げましょう。
それとは別に、普段でも1時間ぐらい空を眺めていれば1個か2個ぐらい、適当な方向に飛んでいく流れ星があります。
これは、どこかの流星群に属さない、散在流星と呼ばれます。
ペルセウス座の方向から飛んでいるものが、ペルセウス座流星群の流れ星、そうでないものは、散在流星と分類します。
調べてみると、みずがめ座デルタ南流星群というのが、7月12日から8月23日頃まで見られる時期になっていて、ペルセウス座流星群と時期が重なっています。
もし、東から西に向かって流れたら、みずがめ座デルタ南流星群の流れ星かもしれません。
みずがめ座デルタ南流星群は、ピークが7月30日なので、すでにだいぶ過ぎてしまっていることと、ピーク時でも最高の条件で1時間に16個程度という、ほとんど目立たない流星群です。
あと、時期が重なっているのがはくちょう座流星群で、これは最高の条件でも、1時間に3個程度。
普通に観測していたら、1時間に1個も見られるかどうかという流星群です。
はくちょう座は、頭の真上あたりに見えているので、頭の真上から地面に向かって流れる流れ星は、はくちょう座流星群かもしれません。

■流星観測の方法
ガチの流星観測をする場合は、流星観測専用の星図に、何時何分に、どこからどこまで、どの方向に、明るさがどのぐらいのものが流れたかを記録していきます。

流れ星が飛んでいく方角から、ペルセウス座流星群のものか、そうでないのか、など、丹念に分類していきます。

そして、どの時間帯が一番多く見られたのか、などをまとめていきます。

今年のペルセウス座流星群は、ピークが8月12日の23時ごろと予測はされていますが、実際に観測してみないと本当にその通りになるかはわかりません。
たまに、予想時刻と違うタイミングで予想外にたくさん見られることがあります。
流星群の予測は、今でもなかなか難しくて、よくわかっていないことです。

8月12日のペルセウス座流星群。

本格的な流星観測をやってみるのも、面白いかもしれません。

中の人による解説の解説

観察会の会場で流すネタなので、本編には観測の準備方法などについての説明は入っていません。

流星群の詳細については、説明しているサイトもたくさんありますが、総本山の国立天文台のリンクを貼っておきます。

国立天文台:ほしぞら情報2024年8月
ペルセウス座流星群が極大(2024年8月)

https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/08-topics03.html#media-info

話しの流れとしては、なるべく早く空を見る体制を作ったあとで、無駄話を展開するようにしています。
流れ星は、いつ飛ぶかわからないので、なるべく早く観測体制に入るようにしたいところ。思いつくままに話すわけにはいきません。
このため、校正にやや時間がかかりました。



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