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アニメ映画『神々の山嶺』
7/31(日)ヒューマントラストシネマ有楽町で「神々の山嶺」見てきました。山嶺と書いて「いただき」と読ませるタイプ。
「哭悲」を見て単館映画にハマり始めた私。何か面白そうなのやってないかな〜と探してたら、フランスで日本の漫画をアニメ化したってんで興味を引かれ行ってきました。
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ざっくりとストーリーは、最初にエベレストを踏破した人が誰か、秘密を握るカメラをきっかけに、山岳雑誌のカメラマンが長らく消息不明になっている著名なクライマーを追っていき、ついにはエベレストに挑戦しようとしている彼を見つけ出し…というお話。この映画は当たりでしたよ。めっちゃ面白かった。
これ原作小説が夢枕獏さんなんですねー。夢枕獏といえば私にとっては板垣恵介さんの「餓狼伝」の原作者。「餓狼伝」は「バキ」と一緒に高校時代めっちゃ読んでたなぁ。「陰陽師」も有名ですよね。
で漫画原作が谷口ジローさん。私この人あんまり知らなかったんですけど「孤独のグルメ」の作者でした。2017年に亡くなっているようです。
この映画はとにかく絵がきれい。雪山のシーンなんかは雪煙が吹きすさび、生き物が住めないような殺伐とした感じをよく表していると思います。雪山以外のシーンでは日本の街並みがよく出てくるんですが、フランスで作られた映画とは思えないほど日本そのままです。よく取材してるなぁと思います。日本滞在経験のあるフランス人にチェックしてもらってたみたいです。
登山家の人って普通の人と人生観が違うんだろうなぁと思います。私は山に登った事は数えるほどしかないですが、昔タイトルを忘れましたがある登山家の半生を描いた本を読んだことがあります。
有名な登山家はスポンサーがついたりしてそれで生活ができますが、そうじゃなくても山に取り憑かれた人というのはたくさんいるもんで、山に登るのに何日、何週間と山にこもることになるわけで、バイトとか短期の仕事なんかをしてお金を貯めて山に登るというのを繰り返すようです。
しかも山に登るのも常に死と隣り合わせ。雪に隠れた巨大なクレバスや崖、雪崩なんかが襲ってくる。標高の高い雪山で死んでも死体はそのまま回収される事はありません。毎回文字通り命を懸けて登り、戻ってきてお金を貯めてまた登る、を繰り返す。
何がそこまで山に駆り立てるのか、私には理解できませんが、人生の価値基準が違うんだろうなと思います。まさに太く短く。極道の人たちと通ずるものがあるような気がする。
そんな登山家の「狂気」みたいなのも感じられる映画でした。映画見た後、なんかため息が出ました。息詰めてたんかな。まだやってるか分かりませんが、興味ある方はぜひ。