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映画『LAMB』

 10/10(月)映画「LAMB」を見てきました。今更ながらレビュー。

 アイスランドの山奥でつつましく生活を営む羊飼いの夫婦。ある日、飼っている羊が羊でも人間でもないものを産み落とす。子供のいない夫婦は母羊からその子を奪い、アダと名付け大切に育てる。アダの存在は夫婦に幸せをもたらすが、やがて悲劇が訪れる・・・というストーリー。

 アイスランドの美しく広大な自然の中にぽつんとある夫婦の家が主な舞台となり、環境は厳しそうですがこんな所で生活してみたいな~と思います。言ってしまえばアダは半獣の子なわけですが、最初ははっきりとは映さず、観客が何が生まれたのか分からないようにしています。話は少しファンタジーが入っていて、まあ半獣の子供が出てくる時点でファンタジーっちゃファンタジーなんですが、最後にあるものががっつり出てくるので、「あ、出すんだ」と思いました。

 アダが生まれた時の描写もそうですが、他にもはっきりとは描写せず話の中に散りばめた情報から観客に想像させるような作りになっています。タイムマシンの話になった時に妻が言う「過去にも戻れるのか」、納屋から埃を被ったベビーベッドが出てくる、というところから、夫婦には昔子供がいたが亡くなってしまったということが分かります。だからこそ、アダを神様からの恵みと感じ、自分たちの子供として育てることが夫婦の慰めになるのだと思います。

 アイスランドの映画というはなかなか見る機会がない(多分)ものだと思いますが、内容はとても面白く美しい映画だと思いました。

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