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一斉放水


大学の個人寮は、新しくできたばかりで、寮生は全員一年生で占められていました。

私は工学部土木科でしたが、工学部機械科、商学部、経済学部、など、あらゆる方面の学生一年生が集結しました。

寮生の一日は、起床→食堂に全員集まり朝食→通学→帰宅→広場で個人的にウサギ飛びなどでトレーニング→夕食→自由時間→就寝
とある程度決まりがありましたが、先輩がいないので、ある程度気楽でした。

若いので、朝食も夕食もたらふく食べましたね。
全員ご飯を丼茶碗で三杯は食べたのです。
最初の丼二杯はおかずで、
三杯目は食堂には「高菜の油炒め」を常備していたもので、それで丼一杯いけたわけですね。

全員一年生なので、みんな学部を越えて仲良しになりました。
夕食後は、寮の一室に五〜六人程度集まり薩摩の芋焼酎を割り勘で呑んだものです。

そのうち、小便がたまりますね。
そこでリーダーが声を掛けます。
「二階のベランダから一斉放水やるバイ!」
そこで集まった芋焼酎仲間の一年生達は、ズラッとベランダに並び、窓から一斉放水しました。

その飛距離を競い、一番遠くに飛ばせた奴が、景品として、芋焼酎の割り勘から逃れられたということでした。

寮生達は、そんな馬鹿ばかりしてましたが、私は最長不等距離を記録したことはありません。





                 完