「ペクトラジ改」第1章:パク一家下関へ
序章:ペクトラジ改の紹介
初代気楽な散歩の「ペクトラジ」は年齢設定に無理があるので、ここに更改する。
ペクトラジは白い桔梗で
太古の昔、朝鮮で少女が
「トラジの歌」を歌いながら
山に自生する桔梗の根を
採取して来たもので
桔梗の根は朝鮮王朝時代
薬膳料理の材料として
高価な値段で取引された
ようである。
第1章:パク一家下関へ
1950年6月25日
朝鮮戦争勃発。
北朝鮮が突如として軍事境界線38度線を超えて韓国を侵略した。
北朝鮮軍は練度も高く、圧倒的な軍事力で攻め込んで来たため、韓国軍は為す術もなく敗退した。
残された民間人は、略奪・暴行・殺害・女性は強姦を受けた。
戦争でいつも犠牲になるのは民間人である。
パク家は韓国南部地方に住んでいたため、いち早く韓国の最南端である釜山に落ちのびた。
日韓併合時から、釜山(プサン)と下関を結ぶ連絡船「関釜(せきかま)連絡船」が就航されていた。
パク家は釜山まで北朝鮮軍が攻め込んでくる前に
いち早く連絡船に乗り下関の地に立ったのである。
パク家は夫婦と女の子の3人家族だった。
同時に来た家族達とグループを組み、失業対策事務所のある向洋町に韓国部落を形成した。
失業対策事務所では、土方仕事の斡旋もしていたので、取りあえず土方をして、糊口を凌いだのである。
部落の一室は、壁は板を打ち付け、屋根はトタン板という粗末なもので、その部屋の真ん中に囲炉裏のようなものがあり、台所は薪で炊く釜とまな板と包丁があるだけである。
部屋は一室しかなく、寝る時は、ムシロをひいて、3人で雑魚寝するという按配で
部落は見かけも中身も非常に粗末で、不衛生でもあった。
続く