かき氷3┃シロクマ文芸部
かき氷といえば、中学生時代の駄菓子屋さんのかき氷を思い出す。
駄菓子屋さんのおばさんは、手回し式のかき氷機で、氷屋さんで買った氷を削り、器用にかき氷を作って、小さな柄杓のようなもので、蜜の入った容器からすくい取り、タップリ蜜をかけてくれた。
蜜は、サッカリンという甘味料で甘くして、色は人工着色料で付けたもので
今から考えると、とても危険な食品であったが、子どもには、そんなことは知るよしもない。
私の中学生時代の小遣いは、
月に300円であった。
1日当たり10円である。
かき氷は、1杯10円だった。
5円の大きな飴玉も食べたいし、5円くじ引きもしたい。
かき氷は、毎日食べるというわけにはいかない。
どうしても1日おきになってしまう。
そこで考えたのだが、暑くてたまらない日だけ、かき氷を食べることにした。
その日は、極上の幸せの時間を味合う事ができた。
ほんの一瞬の幸せであった。
おしまい