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山茱萸伝説
【一般社団法人椎葉村観光協会】記述による。
およそ800年前、壇ノ浦の合戦に敗れた平家の武士たち。
追っ手を逃れて、各地のふところの深い山奥へ。
古文書「椎葉山由来記」は次のように伝えています
道なき道を逃げ、平家の残党がようやくたどりついたのが山深き椎葉だった。
しかし、この隠れ里も源氏の総大将頼朝に知れ、那須与一宗高が追討に向かうよう命令される。
が、病気のため、代わって弟の那須大八郎宗久が追討の命を・・・
こうして椎葉に向かった大八郎、険しい道を越え、やっとのことで隠れ住んでいた落人を発見。
だが、かつての栄華もよそに、ひっそりと農耕をやりながら暮らす平家一門の姿を見て、哀れに思い追討を断念。幕府には討伐を果たした旨を報告した。
普通ならここで鎌倉に戻るところだろうが、大八郎は屋敷を構え、この地にとどまったのです。そればかりか、平家の守り神である厳島神社を建てたり、農耕の法を教えるなど彼らを助け、協力し合いながら暮らしたという。
やがて、平清盛の末裔である鶴富姫との出会いが待っていました。・・・
いつしか姫と大八郎にはロマンスが芽生えました。
「ひえつき節」にもあるように、姫の屋敷の山椒の木に鈴をかけ、その音を合図に逢瀬を重ねるような・・・
①庭の山椒の木鳴る鈴かけて
鈴の鳴るときゃ出ておじゃれ
②鈴の鳴るときゃ何というて出ましょ
駒に水くりょというて出ましょ
大八郎は永住の決心を固め、村中から祝福されます。
ところが、やがて幕府から、「すぐに兵をまとめて帰れ」という命令が届き、夢ははかな・・・
③和様平家の公達流れ
おどま追討の那須の末よ
④那須の大八鶴富おいて
椎葉立つときゃ目に涙よ
このとき鶴富姫はすでに身ごもっていました。
しかし、仇敵平家の姫を連れていくわけにもいかず、分かれの印に名刀<天国丸>を与え、「生まれた子が男子ならわが故郷下野(しもつけ)の国へ、女ならこの地で育てよ。」と言い残し、後ろ髪を引かれる思いで椎葉を後にするのです。
生まれたのはかわいい女の子。
姫は大八郎の面影を抱きながらいつくしみ育てました。後に、婿を迎え、那須下野守と愛する人の名前を名乗らせたそうです。
それにしても、なぜ大八郎は平家の落人を発見したとき、すぐさま討伐しなかったのでしょうか。
それほど哀れな姿に映ったのでしょうか。
それだけならとどまることなく黙って引き返してもよかったはずです。
【椎葉に魅せられた作家の一人、吉川英治が「新・平家物語」の中で、椎葉をこの世の理想郷として描いているのが、ひとつの答かもしれません。】
【敵も味方もない。富も権力も意味を持たない。戦い、憎しみ合ってきた源氏と平氏の間に美しい恋さえ芽生える・・・人間はなぜ争うのか?という問いの答を、椎葉での鶴富姫と那須大八郎の物語から学んでみようではありませんか・・・】
ここで、ひえつき節にある木
「にわのさんしゅ〜の〜木〜」
のさんしゅ〜は何の木か調べて見ました。
【宮崎県の民謡「ひえつき節」に出てくる歌詞、「庭のさんしゅうの木 鳴る鈴かけてヨーホイ 鈴の鳴る時ゃ 出ておじゃれヨー」の“さんしゅう”は、サンシュユの木の事かと思っていたのですが、調べてみるとそうではなくて“山椒”の事なんだそうです。宮崎県では“山椒(サンショウ)”の事を“サンシュ”と呼んでいるらしいです。】
えッ、山椒の木?
【山茱萸】
山茱萸(サンシュユ)は漢名(中国植物名)で、この音読みが和名の由来である。
日本名の別名ハルコガネバナ(春黄金花)は、早春、葉がつく前に木一面に黄色の花をつけることからついた呼び名で、日本植物学者の牧野富太郎が山茱萸に対する呼び名として提唱したものである。
秋になると枝一面にグミのような赤い実がつく様子から珊瑚に例えて、「アキサンゴ」の別名でも呼ばれる。
中国浙江省及び朝鮮半島中・北部が原産といわれ、中国・朝鮮半島に分布する。
【江戸時代享保年間に朝鮮経由で漢種の種子が日本に持ち込まれ、薬用植物として栽培されるようになった。】
「山茱萸は薬用植物です。以下にその効能をネットから「引用します。」
サンシュユ(山茱萸)には、滋養強壮、疲労回復、強精、収れん、止血などの効能があるとされています。
【効能】
頻尿、寝汗、足腰の痛み、疲労などに用いられる
肝腎を補う、固精、止汗の効能があり、足腰の痛みや眩暈、性機能の低下、頻尿や夜尿症の治療に用いられる
腰痛、めまい、耳鳴りなどがあるといわれている
腎の不調を改善することによって、頻尿や尿もれなどを治します
耳鳴りやめまい、ED(インポテンツ)などにも効果的です
【利用法】
漢方処方では八味地黄丸、六味地黄丸、牛車腎気丸などに配合されています
果実酒は強壮、強精薬としても知られています
はい、山茱萸は強壮、強精薬など、様々な薬効があるのですね。
それに対して、山椒は特に薬効はありません。
これは私の持論なのですが、
「椎葉村は世の中から隔離された場所で、十分な医療施設も無く、しかも村民は重労働に耐えなければならなかった。山椒のような何の薬効も無い木が、果たして椎葉村のシンボルツリーになったのでしょうか?
やはりこれは山茱萸ではなかったのではないでしょうか?
では、どこからいつの時代に山茱萸は椎葉村に伝来したのでしょうか?
山茱萸は中国原産で、朝鮮半島を経由して、はるか太古の昔に山茱萸酒の製法とともに九州地方に上陸して、薬用植物として九州各地で珍重されたのではないでしょうか?
その時代とは勿論「椎葉村」という村落が出来る前の事です。
即ち、椎葉村が出来た時には、すでに山茱萸の木があり、山茱萸酒の製法が確立されていたことと考えます。
私の庭にはカインズホームで入手した山茱萸を植えています。
秋には山茱萸酒を作りました。
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これは身体の弱い妻の為に作りました。
毎日、キャップ1杯を水で薄めて飲んでいます。
たしかに薬効はあるようで、「疲労回復」に効くようです。
民謡連盟のかたが、山茱萸の花を見て、「あっ、これはひえつき節に歌われている木ね。」と仰ったもので、
やはり、ひえつき節に出てくる木は山茱萸ではないかと確信しました。
「ひえつき節」
でも、ひえつき節の歌詞は、ちゃんと
「山椒」となっているではないですか!
「いえいえそれは歌詞の誤植で本当は〈山茱萸〉なのですよ。」
あくまでも自説を曲げない散歩でした!。
【第一、山椒の木より、山茱萸の木のほうがものすごく背が高くなり、馬をとめやすいのですね。】
「しつこく反論してます。」
完