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地獄の頻尿
若いうちはまだ良いのですが、歳をとると、ほとんど前立腺肥大症にかかります。
周りを見渡すと、だいたい70歳前後で前立腺肥大症になるようです。
尤も90歳過ぎてもならない男性もいますね。
それは公民館活動をしていれば解ります。
90歳過ぎても、例えば「卓球」などをされているかたは、前立腺肥大症にかかっていません。
前立腺肥大症にかかると、外で運動出来なくなりますね。
それは前立腺肥大による「頻尿」という症状です。
「頻尿」は、簡単に説明すれば、膀胱の周りにある前立腺が肥大すると、膀胱を締め付けて、排尿が出来なくなります。
そこで、排尿するには、「導尿」といって、細いビニール管をペニスに差し込んで、強制的に排尿させます。
しかし、あくまでも過剰な尿を排出するに過ぎず、膀胱の中には「残尿」がタップリあります。
それは「残尿感」として残るのですね。
そして1時間もすれば、また膀胱はいっぱいになり、「導尿」しなければならなくなります。
そのような状態では、とてもサークル活動などできませんね。
前立腺肥大症になると、夜も1時間おきに「導尿」するために起きてトイレに行かねばなりません。
待っているのは、「地獄の睡眠不足」です。
昼間も睡眠不足の為、頭がボーっとします。
定年退職後ならまだ昼寝が出来るのですが、在勤中だとそうもいきません。
私の場合、通勤は、乗り換えの池袋駅でトイレに行き、導尿していました。
勤務時間中も1時間毎にトイレにいく始末。睡眠不足は昼休みに仮眠して補っていました。
導尿で対応出来なくなると、ペニスに尿管を固定し、足首に尿バッグを固定して、ビニール管で結合します。
これだと、導尿しなくて済みますが、尿バッグもすぐに一杯になる為、2〜3時間で尿バッグに溜まった尿をトイレに捨てなければなりません。
そうまでしても、地獄の睡眠不足はつづくのですね。
睡眠不足がつづくと、「鬱症状」が悪化して精神的にも極めて不安定になります。
私は60歳の頃、前立腺癌の抗体反応が出たため、主治医から前立腺撤去手術を勧められました。
以前の記事にも記述していますが、前立腺を撤去することは「性的不能」になることを示します。
男としては、未練が残ることですが
母を直腸癌で亡くしているので、癌の恐怖には耐えられず、撤去することにしました。
手術と入院は、僅か3日で終わりました。
その後の経過ですが、60歳という若さで前立腺撤去したため、術後の経過は極めて順調で、夜間も6時間はトイレにも行かず、熟睡できるようになりました。
若くして、前立腺撤去手術をした事が良い方向になっているのですね。
熟睡出来る結果として、ストレスから解放され、鬱症状も経過が良好になって来たという二次的な長所も発展しました。
私の一つ歳上の友人で、70歳で前立腺肥大症にかかり、頻尿に悩まされるようになりました。
ここで私の経験から
「前立腺撤去手術は早めにやったほうが良いですよ。歳をとると周りを見ると、頻尿がおさまらない人が多いようです。」
と提案したのですが、やはり撤去手術にはためらいがあり、75歳になった頃、極度の頻尿となり、睡眠不足となりました。
その後、彼は前立腺撤去手術をしたかどうかはわかりかねます。
そのような立ち入った質問はできかねますね。
仮に撤去手術したとしても遅すぎて、頻尿は治まっていないものと想定されます。
鬱病による引きこもりに発展しなければ良いのですが。
完