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武蔵坊弁慶伝説



京の都の大富豪の貴族に長男誕生。
二位大納言鬼若と命名される。
産まれた時に、まるで鬼のような頑丈な身体つきをしていたのが命名の由来であるが、顔つきは貴族らしく上品でイケメンだった。

鬼若はすくすくと育ち、16歳になると、「弁慶」と改名し、女狩りを始めだした。

「わしの名刀で女千人斬りをめざすんだぜ〜」

身体つきは立派で、イケメンの上、金はくさるほど持っている。
京の美人は、次々と弁慶の名刀の餌食となった。
弁慶にはプライドがある。
相手はあくまでも美人だけである。
千人の美人を探し出すだけでも大変な手間で、見つかっても、デートに誘って口説き落とさなければならない。

4年の歳月を経て、ようやく、京の美人、九九九人斬りを達成した。

あと一人、弁慶は京の五条大橋にさしかかった。
橋の向こうから、若い笛を吹いた娘が通りかかってきたではないか。

「これはよか獲物ですバイ、娘は久しぶりじゃの〜。」

と弁慶は娘に近づいたが、そこで娘が着物のそでをめくると、腰に刀がさしてあった。

「なんだ、男か、しかし千人目が男色も悪くなかですバイ。」

と、少年に近づいたが、少年はフワリと宙を舞い
追えども追えども捕まらなかった。

弁慶はぼう然と立ち尽くしたまま、弁慶の見事な一物は空打ちに終わった。
これを、後年「弁慶の立往生」と呼ばれた。

美少年は「牛若丸」と呼ばれていた。
牛若丸は弁慶に、麻薬入りキビ団子を与え、弁慶を子分にしたのである。





                完