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スナック「リリー」②花の高一トリオ


1973年、花の中三トリオデビュー。
森晶子は1年先輩で「せんせい」が脅威的ヒット。

1974年、紅白歌合戦同時出場。
森晶子、連続で「おかあさん」
桜田淳子「黄色いリボン」
山口百恵「ひと夏の経験」
花の高一トリオ誕生。

そんな時代、1975年に新宿の大手土木コンサルタントの同期社員三人が「リリー」に訪れてきた。

隆志は遊び人で、オカマバーまで出没。悟は風俗好き。正義は真面目な童貞。
 土木系は女っ気が少ないので結婚のチャンスも少なく、三人とも27歳の独身である。
また、結婚も、見合い結婚が主流の時代であった。
 三人とも独居アパート暮らしで、直近の駅は、隆志は中野、悟は東中野、正義は高円寺であった。


三人はいきなりテーブル席に陣取り、花の高一トリオの話題で盛り上がった。

隆志:「桜田淳子は何と言っ
    てもかわいいな。」
オカマバーファンとは思えない意外なチョイスである。

悟:「何を言うか、何と言っ
   ても歌が上手い森晶子
   だ。」
トルコ通にしては渋いチョイスである。

正義:「いやいや、山口百恵
    だな」
「何だよあんなエロ娘、何が女の子の一番大切なものをあげるなんて!」
正義は純情な性格とは真逆な
センセーショナルなチョイスである。

そんな彼らは、自分の贔屓自慢話をし、他のファンをコケ下ろすという、他愛もない話が1時間以上続いた。


百合と明美にとっては、接客はほとんどしなくても良い楽な客である。

そして、三人は常連となったのであるが、百合と明美はそんな三人に心を許していくことになる。




          続く

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