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残業上がりにサシ飲みを
口内の荒れ具合が悪化してきて、舌先がやたらとピリピリするようになった。喋るのも億劫だし、喋ってもくぐもったような声になってしまう。経験則からして、放置すれば回復するのだが、回復するまでが長い。週明けには治っているといいのだが。
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つい先日、以前交流会で会った人と食事に行った。いつか書いた、何故か私と会おうとしてくる人である。当時決めた日程は随分前だったのだが、そn日になかなか予定が合わない友人との遊びの都合がついてしまったので、そちらの予定を変更して遊びに行った。いわゆるリスケというやつである。
実のところ、私はこの人と会うことにあまり乗り気ではなかった。その時点で既に口内の調子が悪かった為、話をするのが辛いので喋りたくないというのがあったし、いざサシで会ったとして何を話せばいいのかわからない。それに、この人は最後に会った時、いつかのマルチ商法コミュニティとの繋がりを示唆していた。今度こそ勧誘されるのではないかという警戒もあり、かなり足が重かったのである。
加えて、いつものように私は顔を覚えていない。この人と会ったのは、初対面の交流会の時、一度サシで会った時、その人が主催する飲み会の時、と計三回あるが、だからといって覚えられるほど私は人の顔に対する記憶力は良くはない。また合流するのに手間取るんだろうなと思いつつ、それでも約束した以上はと待ち合わせの場所に向かった。加えて当日は平日の夜であり、かつ残業上がりだったのも面倒くささに拍車をかけていた。
いざ待ち合わせの場所について、さていつ来るか、先に来ていれば向こうが見つけてくれるだろうとたかを括っていたら、あちらは既に行く予定だった飲み屋に入っているという。つまり居酒屋に行って、その人を探さなければならない。勘弁してくれと思ったが、仕方ないので店へと向かい、その人を探した。
幸いだったのは、店がそれほど大きくなかったこと、大半の人は連れの人と既に飲んでいて、一人でいたのはその人だけだったこと、それと入り口で店に着いたと連絡を入れたところすぐに入り口の方を向いてくれたことだろう。おかげで右往左往せずに見つけることができた。もしかしたら、何かに勧誘するために直前まで別の連れがいることを伏せていたりするんじゃないかと思っていたりしたのだが、そういうことはなくて安心した。
やたらと狭い机のカウンター席でハイボールを頼んで、飲み食いしながら話をすることになり、先の理由から話すのは嫌だなと本末転倒なことを思っていたのだが、なんだかんだ慣れてしまうもので、酒を飲むことによる口内の痛みも、それに伴う喋りにくさも、しばらくすれば無視できるようになった。ここまで来た以上最低限は楽しみたいという開き直りがあったのかしれない。酒が入ったことも大きかったと思う。
最初こそ向こうが私について質問をしてくることが多く、仕事上がり故のスーツについてから始まって色々聞かれたが、そのうちあちらも自身のことについて話し出したので聞かれっぱなしにならなかったのは助かった。考えてみれば、マルチ商法コミュニティの案内人は私のことを詮索しはすれど、自身のことは全く話さなかったので、一方的に聞いてくるというのは詐欺の常套手段なのではないかと思う。それをしなかったという点は安心材料である。
相変わらず、私を別のコミュニティに繋げようとしてくるので、それはいらないと言いつつ、その組織の名前を聞いたところ、マルチの名前とは違ったというのも評価が高かった。もちろん、だからといってそこを全面的に信頼できる訳ではないが、また繋がりを持たせられるかもしれないという警戒は必要がないとわかったのは行幸である。そのコミュニティであるが、名前を聞いたものの先のマルチとは違うということしか覚えておらず、現在も実態を調べられていない。これは酒による記憶喪失ではなく、単純に私の記憶力の問題であるが、失敗した点と言える。
話していく中で、その人は自分のやりたいこと、夢を話し始め、こういうことをやっているという証拠に広告を見せてきたり、仲間と協力して色々とやった話を聞かせてきた。やりたいこととか夢とかのワードは危険な気がするので身構えたが、別にあなたもどうかと言われた訳ではないので、純粋に一般的な意味として使用しただけだと思う。自分のやりたいことや夢があって、それに向かって努力しているというのは素晴らしいことである。是非実現に向けて頑張ってほしい。もちろん、それを出汁にして誰かを騙すなんてことはもってのほかであるが。
現在飲み会やイベントをいくつも企画する主催者であるが、元々は内向的な性格で、しかしそれでは自分が求める姿にはなれないと一念発起し、人と交流していくようになったということも話していた。本当であれば元々の性格を変えたということであり、私にはできないことである。それもまた、尊敬できる点と言える。
ただ、聞いていて思ったのは、少々無理をし過ぎなんじゃないかということである。曰く、イベントの企画を考える為、平日の夜に会議室を借りて半分遊びながら話し合い、終われば電車がないからとカラオケで夜を明かし、そのまま夜明けに始発で一度家に帰ってからすぐ仕事に行くというような、かなりの無茶をしているという。聞く限りでは仕事もどちらかと言えば体力仕事らしいので、そういった生活は少々危ないんじゃないかと言ってはみたが、今しかできないことだからとのことである。
飲み会後も、駅までの移動の間に酔っ払ったと口にしつつ、この後友人の家に行く予定があるからまだ寝れないとも言っていた。時刻は既に10時を回っており、今から友人の家に行くのかという驚きもあったが、それ以上にいつか倒れそうである。特に仕事中に疲労で事故など起こしたら目も当てられない。私が預かり知る領分ではないが、知ったからには心配してしまうというものである。
とはいえ、翌日にお礼の連絡が来たので、特に何事もなかったのだろう。大事なく楽しんでほしいものである。またイベントをする時に声をかけたり、飲みに誘ったりするのでその時はよろしくとのことで、まだこの人との交流は続きそうである。次があれば、マルチの案内人や街コンのY氏のようにこの場での名前をつけることにする。おそらく次に動きがあるのは来年だろうが。しかし、常々思うが私と会って何が楽しいのだろうか。分からないところが多い人物である。