このあとおいしくたべました
「やっと帰ってきた」
自分の家の前に立つ女子高校生を見てか傘をさす黒髪の男が首を傾げた。
「だれだ?」
「数日前に助けてもらったものです」
覚えてないようで黒髪の男の表情は変わらない。
「ほらっ、ヤンキーにからまれていた女の子」
「そのていどでわざわざお礼か律儀だな。迷惑じゃなければ入ったら、お茶ぐらいだすよ」
「あー、じゃあ遠慮なくお邪魔しまーす」
という女子高校生の返事を聞きながしつつ黒髪の男は背後に近寄ってきていた彼女の同級生であろう学生をぶん殴る。
気絶をしたようで黒髪の男に殴られた学生は全く動かない。
「で、どういう関係?」
「いや。あの」
「まあいいや、先に入っておいて。生徒手帳か身分のわかるもの……さっさと出して」
「ほんの出来心で」
「そういうのはこっちで決めるから。それともまだゆるされるとか思っているの? 高校生なのに」
黒髪の男のぎょろつく目ににらまれたからか女子高校生は彼の言うとおりに生徒手帳を渡した。
「ほんとうに」
「うそ泣きもいいから。言われたとおりに先に家に入って、それとも中にもいるの?」
今の女子高校生の反応で分かったらしく黒髪の男は家の中にもいた彼女の同級生たちを一人残らず、蹂躙して近くの畑に捨てていた。