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日常の雑記
8の付く日は八幡平市の日、らしい。
八幡平の『おらほの温泉』では、8の付く日はお得となっている。
冷静に考えれば、毎月、必ず3回もある事に驚きだ。
以前、八幡平の温泉を巡っていた際に気づいた。
このご時世、大人300円は非常に安い。
家からはちょっと遠いが、ドライブにはちょうど良い。
2024年8月某日。
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『おらほの温泉』というなんだか素朴な響きが印象的ではあるが、ここはかつて『ゲンデルランド』と呼ばれた温泉施設。岩手県人で、ある一定以上の年齢層にはお馴染みの施設だ。付近の看板にもその名残がある。
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当時のHPからの転載。屋根の色が違う。いや、色褪せたのかも?
とはいえ、おそらくゲンデルランド時代に利用したことはない。はずだ。
入ると、どこか懐かしい雰囲気に包まれる。
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入浴するには券売機で購入する必要がある。
食事込みでも800円。思わず二度見した。非常に安い。
チケットを購入し道なりに少し歩くと右側が入浴施設への入り口。
左側が食堂兼休憩所となっている。
自動再生しているピアノが、名前はすぐ出てこないが絶対聞いたことがあるクラシックの定番曲を流していた。
入浴施設は洗い場が6~8つ程度。
眼前に広がる広い浴槽からは年季が感じられる。
やや中央に設置されている八角形の浴槽も特徴的だ。
そういえば、『ラ・フランス温泉館』も中央に六角形?の浴槽があった気がする。当時はこういう施設建築様式(?)が流行ったのだろうか。
今は無き『くあぷらざ宝島』も中央に何かあったような気もする。
体を洗い、お湯に浸かる。少し熱めのお湯が全身を包み込む。
足が延ばせるお風呂というのは、やはりたまらない。
源泉かけ流しというのも、なんだか気分が上がってくる。
浴槽から上がり、右側に小屋の入り口のようなものがある。サウナだ。
サウナの正確な入り方というのは、実はよくわかっていない。
数年前、テレビで「サウナー」を自称するタレントが何回か特集されていたことがあったが、作法(?)についてはあまり触れられず、タレントが満喫している、つまり「絵的にオイシイ」場面が強調されていて、サウナの本質を理解できなかった。
茶道や法事のように厳しい決まりがあるわけではないだろうし、本音を言えば、本やネットで検索し詳細な手順を熟知するまでもないと思っている。
さて、肝心のサウナである。
座った途端、尻が焼けるのを感じた。
短い悲鳴を上げ、思わず慌てて立ち上がる。
階段状になっている木の床が、とてつもなく熱い。
平然として座っているオジサン達は、歴戦のサウナーなのだろうか。
暑さ(熱さ?)を超越した、悟りを開いたツワモノということなのだろうか。
どうやって座るべきか。我慢すべきなのか。
狭い室内を見渡し悩んでいると、オジサンに声をかけられた。
「入り口にな、マットがあるからそれを尻に敷くんだよ」
盲点だった。
確かに、入り口に雑に並べられていたマットがあった。
一度退室し、マットを手に取り、再度入室。
尻に敷き、座る。熱くない。
これで私もサウナーの門をくぐれたのだ。世間様に認められたのだ。
サウナとは、自分との闘いである。と私は考える。
例えばテレビがあれば、「次のCMに入るまで」だとか、「野球がいいところだから、この攻撃が終わるまで」などと言った目安がある。
室内のメンバーを一方的にライバル視し、「この人には負けたくない」という身勝手な目標を立て、意地を張る事もあると思う。
(無論、自己のコンディションを考慮し無理はいけないのだが)
自分を律した上での解放感、温度差によって得られる快楽。
「整う」という感覚はそれもあるのではないか。
そう、これは自分との闘いなのだ。
自分との・・・いや、ダメだこれ以上無理だ。
そもそも暑いのはニガテなのだ。早々に音を上げ退室した。
浴場から出て、休憩室へ行く。
昼過ぎのワイドショーを、人生の先輩たちが半分寝落ちしながら見入っている。かすかなイビキすら聞き取れる。
座れる場所が、いや。正確には横になれる場所がない。
さすが8の付く日である。混んでいる。
しかし、私には秘策があった。
通路の奥の方に行くと、『静かな休憩室』がある事を前回確認していた。利用時間は14時まで。まだ、充分時間はある。
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誰もいない、この広い部屋に一人っきり。
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畳。座布団の枕。開いている窓からのそよ風。扇風機の独占。
完璧なシチュエーション。
天国か。極楽か。こんな贅沢が許されるのか。
やはり日本人なら畳の上で横になりたい。全身を伸ばしたい。
ゴロゴロと横になりながら、14時のアラームが鳴るまで。
涼み、持ってきた小説を満喫した。
券売機で、あえて食事つきにしなかったのは、帰りにどこかで食べようと決めていたからだ。
巣子まで戻り、『天ぷら 桂』が開いていることを確認しハンドルを切る。
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ここの野菜天丼が絶品なのである。結構、量もあるので注意。
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濃い目のタレがたまらない。
学生時代、親と初めて来た時に有無を言わさず野菜天丼を注文され、パセリの天ぷらがこんなに美味しいなんて!と感動した記憶がある。
相変わらず、ここの天ぷらは美味しい。
お腹いっぱいになり、帰宅し、下着やタオルなどを洗濯機に入れ。
改めて、惰眠を貪る。非常に満足した日であった。
閲覧、ありがとうございました。