【マンガ感想文】ダイヤモンド・チェイサーを読んでの感想。
表題の「ダイヤモンド・チェイサー」というマンガについて語ります。
作者は
佐伯かよの 先生。
正直、絵柄から古臭さを感じるかもしれません。
この作品は初期の作品ですね(1970年代?)
ファントム無頼、エリア88、ふたり鷹、砂の薔薇(デザート・ローズ)、クレオパトラD.C.などなどで有名な新谷かおる先生の奥様ですね。
(RAISEと紅たん碧たんは、もうちょい続いてほしかったかも・・・紅たん碧たんの主人公である紅葉がめちゃくちゃカワイイ!)
この夫婦はお互いの得意分野の描写を共同で行っており
佐伯かよの先生の、メカや兵器の描写は新谷かおる先生が
新谷かおる先生の、一部の美女の描写は佐伯かよの先生が
行っていたりします。
手癖なのかファンサービスなのか、お互いの作品のモブに「他の漫画で見たことあるよ!(笑)」って顔が出てきたりしますね。
(そもそも新谷かおる先生は、スターシステムがお好き)
余談ですが、お二人の娘である新谷摩乃さんは、独特の声でナレーションを主にやっています。代表作は「家事ヤロウ!!」とかですね。
えぇと、なにか紹介は・・・youtubeにあるんだ?
絵コンテを父親に頼むなよ!反則だろそれ!ズルイだろ!
ななな、なんてことしてるの。なんて贅沢。
(思わずモニタにツッコミ入れました、マジで)
「絵コンテ・新谷かおる」の文字を見て、呆然としました。
学校の文化祭の屋台に料理の鉄人が参戦するとか
リトルリーグにメジャーリーガーが参戦するとか
町内会のカラオケ大会に歌手本人が参戦するとか
そういうレベルですかね。違うかな。違うかも。
何度も見直しました。すげー。
前置きが長くなりましたが、表題の話に入ります。
こっちを見出しにすればよかったかも。めっちゃカワイイ。
見出しのサイズって編集できないからなんかモヤるんだよな・・・。
イギリス・ロンドンへ降り立ったベルベット。
空港で旅行客たちがスリにあうも、お供であるヒョウ(ライト・シャドウ)の活躍により犯人を確保。
ある貴婦人より、お礼として電話番号を書いたメモを貰います。
描きこみの技術ヤバイだろ。
この当時の作家のレベルの異常さ。オーパーツですね。
母親を捜す手がかりとして宝石店を訪ねるも、子供というだけでバカにされるベルベット。
ちょうど訪れていた、客の宝石を鑑定したことで店のプライドを傷つけ、襲われるところでイケメンの贋作師 兼 詐欺師のデュークと出会います。
デュークの紹介で、影の宝石鑑定士マダム・エルに自身の宝石鑑定を依頼することに。
受け取った宝石を見たマダム・エルはその宝石を見て気づきます。
自分の生き別れた娘に残したものだと・・・つまりベルベットは自分の娘・・・!
マダム・エルは自分の夫を殺したマダム・ゴードンの悪事を暴くため、身分を隠しずっと調査を続けてきました。
一方、マダム・ゴードンは。女王が所持している宝石を贋作とすり替え、財を成していました。本物が見つかった=贋作とすり替えていた事を気づかれる前にベルベットを殺し、「本物の宝石・ナイルの涙」を手に入れようと考えます。
・・・という流れです。
デュークは街中で子供達と組み、同情を誘い、ダイヤの贋作を「母の形見」と騙り、富裕層に売りつけます。ただそれは、生きる為なんですね。
母親を捜すためにロンドンに来た、というベルベットはこの国で現実(貧富の格差)を見せつけられるのです。
この線画!ベタの美しさ!目の輝き!カワイイ!
モブの子供たちの描き方、時代を感じる・・・!
アナログの極致、たまらん・・・!
話を戻して。
そんな重い展開はすぐさま終わり、鮮やかにマダム・ゴードンの悪事を解決しベルベットは本懐を遂げるのでした。
第二話。
アラブにある架空の国に舞台を移します。
政略結婚を狙う国のお姫様が逃亡。
顔がソックリ、ということで政略結婚の替え玉として誘拐されるベルベット。といっても軟禁状態でヒマを持て余します。
アラビアチックの服装もカワイイ!点描すげぇ!
散りばめられたお花がきれい!すごい!
花嫁衣装は華やかだからしゃーない。オンナノコの憧れ!
ベルベットもまんざらでもない顔してますね!
10年前にフラれた腹いせで政略結婚を阻止したいタイール女王に攫われるベルベット。タイール女王はすりかわっていることを知りません。
描写の気合の入れかたがおかしいんだよ!(歓喜)
バックに花!技術の高さ!
翌ページのギャグパートのデフォルメも、当時の漫画らしさを感じますね!
「目に平仮名が入る」ってあまり見ない表現かも。
(イマドキ、視線がバチバチするのってあるのかな?)
中盤からはシリアスな描写を入れつつもハッピーエンド。
ソリア姫は両想いであったサジャール王子と結婚。
ヨギ大帝とタイール女王も愛を確かめ合います。
そして次は・・・ベルベットとデュークかしら!
あらあら!めでたしめでたし!
同単行本に収録されている
「マジカル・らぶ・ストーリー」もめっちゃ好き。
物売りから押し付けられた魔法のランプから出てきた精霊・ムーニーが主人公とドタバタします。
ムーニーがとにかくカワイイ。アニタもアニタで悪女カワイイ。
ムーニー。
魔法のランプをこすったら入浴中だった、って結構斬新かも。
(ドジっ娘美少女。3つ願いを叶えるつもりが2回はソッコー勘違いで消費)
こっちはアニタ。悪女カワイイ!
美人だから余白ぶち抜き。
短編として起承転結がしっかりしてて、最後はハッピーエンドですね。
エリア88を何度となく読んだことある人なら
・ベルベットという名前の美少女
・ライト&シャドウという二匹のヒョウ
で。
あーー!?なんか知ってるかも!?って大声出して気づくかもしれません。
思わせぶりに出てきて、最終的にサキからシンに引き継いだのに結局最後まで使用されなかった伏線のひとつ、「戦士の魂」という宝石の話のところ。
本作品(ダイヤモンドチェイサー)を読んでた時に、「これ、これって!もしかしてーー!?」って慌ててエリア88の該当部分を探しました。
家にあるのはワイド版。
初期のコミックス版だと、アフリカ編でマップが本業を辞めた理由が差別用語付きで載ってるんだっけ?それはいいや。
ベルベットが出て来るのは、この部分ですね。
ベルベット!!!
かかかかかか、カワイイ!!!(語彙力の無さ)
クッキー食べたい!!!(錯乱)
時系列としてはダイヤモンドチェイサーの数年後、という感じですね。
タッチが完全に、佐伯かよの先生です。
マダム・エル。もとい。
マダム・ビンセントも美しさに磨きがかかっていますね。
当時はインターネットなんてなかったので「なんか絵柄が微妙に違うけど、なんでだろ?」くらいの認識でした。
お互い手伝ってる、と知ることもなかったのです。こち亀でもありますよね、明らかに絵柄が違うアシスタント。
もうわざとやってんのか、って言いたくなるくらい絵柄が違うやつ。
話を戻して。
エリア88の他の場面ではジュリオラが顕著ですね。あとは~・・・モブの描写で色々あります。読み直したら寝ているベンディッツを起こすボブカットのCAは、完全に佐伯かよの先生の趣味ですかね。
佐伯かよの先生、ボブカットの女性が大好きなので。(パチ打ってる人間としてはどうしても頭によぎる中森明菜)
いつか飲んでみたいシュタインベルガー。
「まぁ・・・フランスでドイツ・ワインを注文するとは、なんて命知らずなんでしょ!!」って言われてみたい。
(フランス人にこのネタが通じるとは思えないけど)
って。あ。
エリア88の話じゃなかった。大変失礼しました。
佐伯かよの先生には、他にも紹介すべき漫画はたくさんあるのですが
・燁姫→面白いけど長い。あゆみちゃん超カワイイ。
・星恋華→実は一回も表紙に出てこない主人公。連載期間が長い(20年)
・緋の稜線→涙なしでは読めない。話がめっちゃ長い。
(作品内では正確に言うと、昭和元年から64年まで経過)
・その他→打ち切りだったり未完だったり、話が暗かったり。でも好き。
読みやすさから本作を選びました。
次にもし紹介するとしたら「スマッシュ!メグ」かな~・・・!
テニスのスポ根漫画!カワイイ美少女ばかり!
決着は主に、ラケット破壊または負傷によるリタイア!
面白くなってきたところで終わり!
だったりします。
今回、本文で何回「カワイイ」連呼してるんだろう。
普段より語彙のレベルが低くなり、大変失礼しました。
佐伯かよの先生は、残念ながら2021年に逝去されました。
もっと知られるべき作家だったのかな、と個人的に思っています。
閲覧、ありがとうございました。