余暇を楽しむ『レジャー・レジャー施設』*日本経済68業界
日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。
サービスの『レジャー・レジャー施設』
▼業界動向
2014年→2019年 横ばい
2020年→2021年 下落
2022年→2023年 回復
▼業界平均
・売上高 :708億円
・営業利益率 :8.24%
・自己資本比率:41.15%
・ROE :9.21%
・ROA :4.76%
※用語の詳しい説明は文章下段の
【経営の基礎知識】から確認できます。
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1位 近鉄グループホールディングス株式会社
増収減益:売上1兆6295億2900万円/24年3月期
近畿日本鉄道株式会社や近畿バス株式会社などの
運輸事業を主力としており、
近畿配送サービス株式会社による物流配送、
株式会社近鉄エクスプレスによる国際輸送、
近鉄不動産株式会社による分譲・賃貸、
株式会社近鉄百貨店、株式会社近商ストアを中心に、
駅ナカ、サービスエリアなど流通小売事業を展開。
レジャー事業としては、
志摩スペイン村のテーマパーク「パルケエスパーニャ」
ホテル志摩スペイン村、伊勢志摩温泉ひまわりの湯を
グループの株式会社志摩スペイン村が運営しています。
大阪にある世界最大級の水族館「海遊館」、
動物園や美術館の複合施設「ニフレル」や
90年以上の歴史がある「生駒山上遊園地」も運営。
旅行・ホテル事業においては、
近畿日本ツーリスト株式会社や
クラブツーリズム株式会社が旅行販売を行い、
クラブ活動や会員特典が見放題使い放題の
サブスクの「クラブツーリズムパス」、
インターネット内のアバター接客サービス
「旅のアバターコンシェルジュ」も展開しています。
また、国内外にホテルブランド
「都ホテルズ&リゾーツ」を全25施設展開。
日本風情を味わえる旅館も運営しています。
2位 東急不動産ホールディングス株式会社
増収増益:売上1兆1030億4700万円/24年3月期
総合デベロッパー(建物の開発者)として
オフィス、マンション、商業施設の開発・管理、
マンション分譲、戸建て住宅、リフォーム、
仲介(賃貸、売買)、ビルメンテナンス事業を展開。
24年3月期はオフィス・住宅ともに堅調。
25年3月期は渋谷や原宿で大型開発が相次ぎ、
主力の都市開発事業の収益が拡大しています。
東急不動産株式会社がレジャー施設として、
関東を中心にゴルフ場を17ヶ所、
中部を中心にスキー場を8ヶ所を運営しています。
3位 バンダイナムコホールディングス
増収増益:売上1兆502億1000万円/24年3月期
ドラゴンボール、ワンピース等の主要知的財産で、
トレーディングカードなどの玩具が引き続き好調。
ゲーム事業では開発体制見直しで利益率が改善。
24年月公開のアニメ映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」が大ヒット。世界80ヶ国で展開、
レジャー施設としては、
株式会社バンダイナムコアミューズメントが
池袋サンシャインシティの「ナンジャタウン」や
商業施設内ゲームセンター「namco」を運営。
他にも、
アスレチックやボーリング場、VR体験施設、
キャラクターショップやガチャポン専門店を運営。
4位 阪神阪急ホールディングス株式会社
増収増益:売上9976億1100万円/24年3月期
阪急阪神ホールディングス株式会社は、
エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社、
東宝株式会社と共に、
阪急阪神東宝グループの中核となる企業。
※エイチ・ツー・オー・リテイリング株式会社は
2006年の阪急・阪神経営統合をきっかけに
百貨店事業を分離させて2007年新設。
「株式会社阪急阪神百貨店」
「イズミヤ・阪急オアシス株式会社」
「株式会社関西スーパーマーケット」を統括。
主力事業の鉄道・バス事業が好調。
11年ぶりの新型車両「2300系」にて、
初の有料座席指定サービス「プライベース」を
専用車両として投入。まずは京都線で運行開始。
商業施設・オフィス賃貸などの不動産事業も好調。
持分法適用会社の伸びも寄与して増収増益。
商業施設は、大阪梅田ツインタワーズ、
ハービスOSAKA・ハービスENT、
グランフロント大阪、阪急西宮ガーデンズなど。
レジャー分野(エンタテインメント事業)は、
阪神甲子園球場・甲子園歴史館
宝塚大劇場・東京宝塚劇場などの運営。
夜景スポットの六甲山地区における
スキー場や植物園、ミュージアムなど
複数のレジャー施設を展開しています。
芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート」の開催、
2021年にはアスレチック施設
「六甲山アスレチックパークGREENIA」を新設。
5位 ブラザー工業株式会社
増収増益:売上8229億3000万円/24年3月期
プリンターや複合機、スキャナーなどの
プリンティング・アンド・ソリューションズ事業を
主力事業とし、法人向け製品が伸長。
マシナリー事業では、
自動車や一般機械などの部品加工を行う工作機械、
工業用ミシン、衣料品のデジタル印刷ニーズに
応えるガーメントプリンターなど製造・販売。
工作機械は、
中国を中心に自動車など設備投資需要が回復。
工業用ミシンは
アジアでアパレル向けの需要回復に対応。
パーソナル・アンド・ホーム事業では、
家庭用ミシン、カッティングマシンなどを製造。
高級刺しゅう用ミシンでは、
IoTを活用し手作りの新しい可能性を広げます。
浜松市にある同業、業務用プリンターメーカーの
ローランドディー.ジー.株式会社に対して24年3月、
事前同意なしの株式公開買い付け(TOB)を公表し、
5月の買収を目指していましたが断念。
※ローランドディー.ジー.株式会社は
経営陣の自社株買収(MBO)で対抗していました。
そんなミシンやプリンターでお馴染み
ブラザー工業株式会社が
1992年に開発して注目を集めたのは
業務用通信カラオケの「JOYSOUND」
現在は子会社の株式会社エクシングが
カラオケ事業を手掛け、
全国のカラオケボックス、スナック、旅館への
カラオケ機器を納入しています。
また、孫会社の株式会社スタンダードが
JOYSOUND直営店を全国100店舗以上運営。
6位 株式会社バローホールディングス
増収増益:売上8077億9500万円/24年3月期
東海、甲信越、北陸、近畿に242店舗を展開する
地域密着型の食品専門スーパーマーケット
「バロー」を主力事業として、
1984年にドラッグストア
1988年にペットショップ
1990年にホームセンター
1998年にスポーツクラブ
など地域の多様なニーズに応える事業を展開。
スポーツクラブAXTOSを運営する
株式会社アクトスは、スイミングスクール、
テニススクール、運動能力向上塾、
フィットネスクラブの開設・運営だけでなく
自治体、健保組合、共済組合への
健康増進/介護予防指導、
民間企業の健康経営にも携わっています。
7位 株式会社オリエンタルランド
増収増益:売上6184億9300万円/24年3月期
2024年6月に開業した東京ディズニーシーの
新エリア効果やインバウンド増加で増収。
客単価の上昇が続き最終増益。
年間配当金は14円から15円に増配。
東京ディズニーランドでは、26年度以降、
バズ・ライトイヤーのアストロブラスター跡地に
シュガー・ラッシュの新アトラクションを開業。
改良工事中のスペース・マウンテンは27年に開業。
8位 株式会社西武ホールディングス
増収減益:売上4775億9800万円/24年3月期
主力のホテル・旅館事業では、
プリンスホテルなどを運営する
株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド、
鉄道・バス事業では、
西武鉄道株式会社、西武バス株式会社、
商業施設・オフィス賃貸事業では、
不動産の株式会社西武リアルティソリューションズ、
レジャー事業では、
プロ野球球団の株式会社西武ライオンズ、
狭山スキー場などを運営する
西武レクリエーション株式会社、
株式会社西武園ゆうえんち、
株式会社横浜八景島、株式会社横浜アリーナ
などを傘下に持つ持株会社(ホールディングス)
※2021年にリューアルオープンした
昭和レトロをテーマにした西武園ゆうえんちは、
20年まで西武レクリエーション株式会社が運営。
21年から23年には
株式会社豊島園が株式会社西武ゆうえんちに
社名変更して運営していましたが、
現在は西武グループの株式会社横浜八景島が運営。
ホテル客室の利益率上昇、
商業施設エミテラス所沢の開業などが寄与して増収。
電気動力費や水道光熱費、賃上げを含む
人件費などの経費増加で最終減益。
長期戦略3035では、
不動産保有による従来の賃料収入ではなく、
一度開発した物件を売却して得られた資金を
再開発などの投資に充てる
「回転型ビジネス」への転換を図ることで
36年3月期までに営業利益1000億円以上も目標。
9位 セガサミーホールディングス株式会社
増収減益:売上4678億9600万円/24年3月期
大手パチスロ・パチンコ・ゲームメーカーの
サミー株式会社と
ゲームメーカーの株式会社セガなどの持株会社。
人気シリーズの新作などで
家庭用ゲームソフトが伸びましたが、
前期で人気だったパチスロ機の反動で減益。
経営再建を行なった宮崎市のリゾート施設
「フェニックス・シーガイア・リゾート」を
運営しているフェニックスリゾート株式会社を
投資ファンドに売却し最終増益となった。
新たに種類株式を取得し議決権の20%は確保。
ちなみに、2020年には、
ゲームセンター事業「SEGA」を運営していた
株式会社セガエンターテイメントを買収した
株式会社GENDA(ジェンダ)は、
2018年創業のベンチャー企業で5年間で
ゲームセンター業界シェア3位まで上り詰め、
アーケードゲームやオンラインクレーンゲームなど
M&Aを繰り返しながら業績を伸ばし、
2019年には株式会社ラウンドワンと
アメリカに合弁会社Kiddletonを設立し
ゲームセンター事業を展開。
2023年には合弁を解消し全株式を取得。
2020年に、株式会社セガエンターテイメントを
買収してSEGAをGIGOに店名変更。
バンダイナムコホールディングスからも
2021年アメリカにある大型施設
パックマン・エンターテインメントを買収している。
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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!
[ 損益計算書(PL) ]
売上高(客数 × 客単価)
−原価 :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益
−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益
−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金 :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益
営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。
年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。
ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。
自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。
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[ 貸借対照表(BS) ]
ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。
ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。