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賃貸収入や買収益を投資家に分配『不動産投資信託』*日本経済68業界
日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。
金融の『不動産投資信託』
不動産投資信託(REIT/リート)は、
投資家から資金調達を行い不動産に投資する
金融商品(投資信託)の一種。
(REIT=real estate investment trust)
アメリカで生まれたREITは、
「米国REIT」「英国REIT」などの法人が
日本国内では「J-REIT」と呼ばれる法人が
投資証券を発行。
※日本では法律に基づき「投資法人」という
法人名で会社のような形態を取っています。
株式会社でいう株式に当たる投資証券を発行し
投資家が購入する仕組みです。
海外は日本よりも利回りが高いのが特徴で
為替変動リスクがあり、
日本円と外貨を交換するタイミングで
為替による損益の変動があります。
投資法人(J-REIT)は、
調達資金で収益用不動産を取得し、保有・管理。
賃貸収入や買収益で得た原資を投資家に分配します。
貸す売る等の不動産運用は別会社が行い、
そのスポンサー(株主)が権限を持っています。
▼業界動向
2014年→2020年 成長
2021年→2023年 下落
▼業界平均
・売上高 :244億円
・営業利益率 :47.18%
・自己資本比率:51.03%
・ROE :5.76%
・ROA :3.02%
※用語の詳しい説明は文章下段の
【経営の基礎知識】から確認できます。
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1位 日本ビルファンド投資法人
増収増益:売上502億5400万円/24年6月期
貸す売る等の不動産運用会社は、
日本ビルファンドマネジメント株式会社。
運用会社のスポンサー(株主)は、
三井不動産株式会社(株式46%)、
住友生命保険相互会社(株式35%)、
三井住友信託銀行株式会社(株式5%)、
株式会社三井住友銀行(株式5%)、
などが不動産運用ノウハウを活用しています。
2位 ジャパンリアルエステイト投資法人
増収増益:売上414億1400万円/24年3月期
貸す売る等の不動産運用会社は、
ジャパンリアルエステイト
アセットマネジメント株式会社。
運用会社のスポンサー(株主)は、
三菱地所株式会社(株式40%)、
第一生命保険株式会社(株式30%)、
東京海上日動火災保険株式会社(株式30%)でしたが、
2021年に三菱地所の100%子会社になりました。
ちなみに三菱地所株式会社は、
三菱財閥の源流である日本郵政株式会社を設立した
岩崎弥太郎が創者となった三菱グループ中核企業。
総合不動産デベロッパーとして
丸の内エリア中心に全国主要ビジネスエリアで
最先端の機能性を備えたオフィスビルを開発し、
運営管理を行うのが主力事業です。
商業施設、物流施設、ホテル、空港、
住宅(分譲・賃貸)の運営事業に携わっています。
3位 日本都市ファンド投資法人
減収減益:売上408億7900万円/24年2月期
旧社名は日本リテールファンド投資法人。
2002年、初の商業施設特化型REITとして上場。
ちなみにREITには、
【オフィスビル】【マンション(住宅)】【ホテル】
【商業施設】【物流施設】などがあり、
分散投資する方法を「複合型」と呼びます。
貸す売る等の不動産運用会社は、
株式会社KJRマネジメント。
(旧:三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社)
かつて、
三菱商事との関連が深いイオングループの
商業施設を中心に運用し、
イオングループ資産のオフバランス化
(資産を売って負債を減らす)など
効率的な資産運用や資金調達を行っていました。
現在は、
イオンショッピングセンターやイオンモール
(特に、イオンと三菱商事の共同出資である
ダイヤモンドシティ※イオンモールに吸収前)や、
イオン競合のイトーヨーカドー堂系の物件を保有し
収益を得ています。
また、運用会社のスポンサー(株主)である
三菱商事株式会社(株式51%)と
UBSアセット・マネジメント株式会社(株式49%)が
合弁会社として運用会社を設立しましたが、
2022年、外資系ファンド大手KKR傘下の
76株式会社に株式を2300億円で譲渡しました。
4位 野村不動産マスターファンド投資法人
減収減益:売上兆億万円/24年2月期
貸す売る等の不動産運用会社は、
野村不動産投資顧問株式会社。
運用会社のスポンサー(株主)は
100%出資の野村不動産ホールディングス株式会社。
※野村不動産株式会社などの持株会社
※野村ホールディングス株式会社の
持分法適用会社(=関連会社)
▼野村ホールディングス株式会社の
主な子会社及び関連会社
子会社
・野村證券株式会社
・野村信託銀行株式会社
・野村アセットマネジメント株式会社
関連会社
・野村不動産ホールディングス株式会社
・株式会社野村総合研究所
・LINE証券株式会社
(LINE Financial株式会社との合弁会社)
5位 KDX不動産投資法人
増収増益:売上386億5400万円/24年4月期
貸す売る等の不動産運用会社は、
ケネディクス不動産投資顧問株式会社。
運用会社のスポンサー(株主)は
100%出資のケネディクス株式会社。
2020年、
三井住友ファイナンス&リース株式会社が
ケネディクス株式会社に対して
TOB(株式公開買付け)を実施し子会社化。
三井住友ファイナンス&リース株式会社は、
2025年4月入社の大卒総合職の初任給を
4万円引き上げ、30万円にする方針です。
初任給の引き上げは2年連続で上げ幅は過去最大。
賃上げにより優秀な若手を集め、
航空機リースや不動産、再生可能エネルギーなど
多角化する事業に必要な専門人材の育成を行う。
株式は株式会社三井住友フィナンシャルグループと
住友商事株式会社で50%ずつ保有しています。
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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!
[ 損益計算書(PL) ]
売上高(客数 × 客単価)
−原価 :仕入など製造原価/人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益
−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益
−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金 :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益
営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。
年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。
ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。
自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。
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[ 貸借対照表(BS) ]
ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。
ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。