光
光あれと貴様が願った。
だから僕は貴様を呪う。
最初から光なんてなければ良かったのだ。
せめて目を焼くほどの光ならば良かった。
そうだったら何も見ないですんだのに。
何も思わないですんだのに。
安らかでいられたのに。
無垢な人形でいられたのに。
世界も点でよかった。
そうだったら醜いカルネアデスの板を見るだけですんだ。
動物なんていらなかった。
そうだったら永遠の平穏があった。
貴様が中途半端な光をよこしたせいで、
世界を広げたせいで、
動物を放ったせいで、
すべてがおしまいだ。
貴様こそが原罪を犯した。原初にして最大の罪だ。
貴様は死ぬべきだ。最後に、もたらした全てを滅ぼして。
それこそが唯一の罪滅ぼしだ。
存在する罪をすべて滅ぼせ。
それができないなら、
僕は貴様を呪い続ける。