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人を育てる【事業家集団とは】
「人を育てる」とは、共に走ることから始まる
「人を育てるだけではダメ」という言葉は、シンプルながら本質を突いています。この図が示すように、指示を出すだけのリーダーシップでは、部下やメンバーは本来の力を発揮することができません。本当の意味でチームを育て、成果を出すためには、リーダー自身が一緒に動き、伴走する姿勢が欠かせません。
指示だけではなく「共に行動する」
多くの組織やチームでは、「上司が命令し、部下がそれを実行する」という構図が当たり前のように存在しています。しかし、それではメンバーが主体的に考えたり、行動したりする機会が減ってしまいます。山本五十六の有名な言葉にもあるように、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ」というプロセスが重要です。
まず、リーダー自身が「やってみせる」ことから始めます。言葉だけでなく、具体的な行動を示すことで、メンバーはリーダーを信頼し、納得感を持つことができます。そして、「言って聞かせて」相手が理解するまで丁寧に説明をし、その後に「させてみせる」機会を与える。このように、リーダーの行動は常にメンバーと共にあるべきです。
リーダーの伴走が持つ意味
図の右側に描かれている「リーダーも一緒に伴走」という姿勢は、単にチームの作業を手伝うだけでなく、心理的な支えにもなります。リーダーがメンバーと同じ目線で努力する姿は、メンバーに安心感とモチベーションを与えます。特に大きな挑戦や困難な局面では、「一人でやれ」という指示よりも、「一緒にやろう」という言葉が、より大きな推進力になります。
話し合いと信頼の構築
山本五十六の言葉は続きます。「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず」と。人を育てるためには、一方的な指示ではなく、対話を通じて信頼を築くことが必要です。リーダーがメンバーの意見を傾聴し、努力を認め、時には責任を任せることで、彼らの成長を引き出します。
これは、「伴走」の一部でもあります。ただ走るのではなく、共に方向性を確認し、時にはスピードを合わせながら進む。このプロセスを繰り返すことで、リーダーとメンバーの間に信頼関係が生まれ、チーム全体が強くなっていきます。
まとめ
リーダーシップとは、「指示を出す」だけでなく、「共に走る」ことで真価を発揮します。やってみせる行動力、話し合いの姿勢、そして承認と任せる覚悟が、人を育てる基盤を作ります。チームの成功とは、リーダーが孤高の存在になることではなく、メンバーと一緒に成長しながらゴールに向かって進む過程そのものです。
山本五十六の言葉が示すように、育成はリーダーの行動から始まります。やってみせること、耳を傾けること、任せること。これらを実践することで、メンバーは信頼を寄せ、主体性を持って行動し始めます。そして、最終的にはそのチームがリーダーを超える力を発揮するのです。