寄り添うということ②~「少年サッカー」試合前の言葉~
以前、
大丈夫じゃないと思ってる人に
「大丈夫だよ」と声をかけるのは✖です。
というお話をしました。
詳しくはこちらを↓
若い頃、15年程、少年サッカーのコーチをしていました。
今回は少年サッカー指導における寄り添い方について考えてみたいと思います。
あるトーナメント大会(6年生)に出場したときのこと。
1回戦の対戦相手は、明らかに自分たちよりも格上チーム。
対戦成績でみても、0勝5敗。
勝ったことがありません。
試合前から敗戦ムードが漂うチーム一同。
アップの前から、みんながちがちに緊張してます。
さて、あなたがこのチームのコーチなら、試合前にコーチが子ども達にどんな言葉をかけますか?
何度も対戦しているので、お互いのことはコーチだけでなく、子ども達もわかっています。
そんな子ども達に、
「だいじょうぶだよ」
という声かけは、NGです。
大丈夫じゃないから、試合前から委縮しているのです。
格上相手に小手先の戦術を変えたからと言ってなんとかなるものでもありません。
仮にうまくいったとしても、子ども達の成長は見込めません。
緊張しまくっている子ども達を集めて、試合前にイメージトレーニングをしました。
「みんなの好きなサッカー選手をいってごらん」
「メッシ」
「ロナウド」
「フィーゴ」(ちょっと古くてすみません…ポルトガルの名選手です)
「じゃ、自分がその選手になったつもりで、試合でやってみたい技をイメージしてみよう」
1分間目を閉じてイメージプレーさせました。
その後、一人ずつ試合でやってみたいことを発表させ、交流。
「おれは、フィーゴのダブルタッチで縦を突破する。」
「ぼくは、メッシの高速ドリブルやってみる」
などなど、イメージを膨らませ、試合に送り出しました。
プロサッカー選手になりきってピッチに入場です。
キックオフから5分経過。
右サイドハーフの選手がボールをもち、相手DFのアプローチが遅くスペースがあったので、高速ドリブルでDFを置き去りにし、素早くクロスを上げました。
まさにメッシをイメージしたプレーがうまくいった瞬間です。
そして中央に走りこんだFWがそのままダイレクトであわせてシュート!
ゴーーーーーーール!!!
なんと、立ち上がり5分で、わがチームが先制しました。
練習でやっていた通りのプレーができたのです。
明らかに相手は油断してました。
これで相手チームに火がつき、その後は4点失点。
結果は1対4で負けました。
ワールドカップでジーコJAPANがブラジルと対戦したときと状況は似ています。
子ども達は、またしも敗戦し、下を向いて返ってきました。
こんなとき、どんな声をかけますか?
試合後は、後審「あとしん」(試合後に自分が次の試合の審判すること)がない限りはすぐ試合の振り返りをします。
(少年サッカーの大会の審判は基本、参加するチームが担当しています。)
この日は助っ人で審判にきてくれた仲間が、いたのですぐ振り返りができました。
まず、1人ずつ試合の感想を発表します。
次に、試合前のイメージがプレーでできたかかどうかの確認をします。
最後に、試合全体の振り返りをします。
この試合で子ども達に価値づけたことは、
①1点とれたということ。
②しかも練習通りかつ、イメージ通りのプレーから生まれた得点だったこと。
③そして、4点失点したものの、最後まであきらめずに全員が、必死にボールに食らいつきディフェンスできたこと。
この3点を価値付けました。
格上相手でも、普段通りのプレーができれば、通用することを伝え、負けはしたけど、成長できた試合だったと締めくくりました。
このように寄り添うことを続けていくと、子どもたちは不思議なことに加速度的に成長していきます
以上、少年サッカー指導における試合前と後の声かけについてでした。
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