今年の駒澤の区間配置が全く読めない話
◆長すぎるまえがき
私、周囲の友人・知人に対して、箱根駅伝がいかに魅力的なコンテンツであるかを布教するボランティアをしている者です。
観戦歴は、かれこれ40年弱になります。
父と祖父がそれぞれ常連校の出身だったので、お正月は2日も3日もTV観戦するのが当たり前でしたし、
なんと言っても、育った場所が駒澤大学・駒沢公園から歩いて5分くらいのところだったので。
当時は今のような常勝軍団!って感じじゃなくて、予選会通った!今年も出場できるぞ!みたいな感じで、
246の駒沢の交差点の角にあった文明堂のお店に「祝!箱根駅伝出場!」みたいな懸垂幕がかかったりしてたなー、という思い出。
ドハマリしたのは社会人になってからで、2000年の初優勝後に駒澤が強豪化して、ネットからいろんな情報を得られるようになって、
秋~冬の3大駅伝本戦だけじゃなくて、予選会とか、トラックレース・ロードレースの結果を追うようになったりとか。
今は三重に住んでるので、11月には全日本大学駅伝を基本毎年現地観戦して、周りの人がちょっと引くような声量で駒澤の選手に声をかけています。
駅伝にまったく興味のなかった奥さんは、気がつけば山学のオムワンバくんと日大のキトニーくんを見分けられるようになりました。
ごめんなさい。一応反省はしています。
FBでは毎年3大駅伝の順位予想を戦前に披露してるんですが、それは12/29にエントリーが発表されてから、ということで。
今回は前菜として、駒澤の話で一本書いてみます。
◆前哨戦振り返り
篠原3-芽吹4-圭汰2-山川2-金子4
帰山2-安原4-赤星4-花尾4-庭瀬3
コレ、2年連続3冠を目指しながら、青学の前に敗れた昨年のオーダー。
近年でも最強世代の4年生が5人抜け、さらにアンカーの庭瀬も何やら触れちゃいけない理由で今年の秋に退部したらしい...というウワサ。
どこの大学にもある「4年生が強い代の次の年あるある」で、来年から誰が走るの???という状態。
案の定、春先はトラック・ロードともに壊滅的な出来で、どんどん伸びていくライバル校に対してポツンと一校だけ置いてけぼり。
シード争いも覚悟だな...と思っていたら、夏合宿が転機になったようで、出雲・全日本ともに望外の2位。
1年前、いや半年前、いや出雲の前日まで、箱根を優勝候補の一角として迎える日が来るとは思ってなかったな...
◆こんなに区間配置が読めない年はない
野球ファンって、毎年キャンプ~シーズン開幕までに「オレが考える今年の打順」みたいな話をしたがるじゃないですか。
それと同じで、駅伝ファンは区間エントリー発表前(今年は12/29)に「オレが考える今年の区間配置」を語りかがるものなんです。
で、例年、だいたいわかるものなんですよ。
昨年の駒澤でいうと、2区は芽吹で3区は圭汰だね。5区は山川だろうけど金子もあるかもね。篠原はどこでもイケるね。でも1区だけ決め手に欠ける。
で、発表されると、おーコレは頭から篠原-芽吹-圭汰-山川あるぞ!的な。
一旦、区間エントリーの発表をもって事前の盛り上がりがピークに達するわけです。
でね、今年の駒澤は、「オレが考える今年の区間配置」が全然わかんないんです。
いい意味、悪い意味、両方あるんですけど、二択もしくは三択の要素が多すぎる。みんな伸びたからいい意味の方が多いけど。
論点整理しつつ、ボクなりの予想を書き連ねてみようかと思います。
◆要素①:2区を走る「エース」はどっち?
過去3年は、田澤→田澤→芽吹と、自他共に認める大エースが2区を走ってきました。
今年は篠原・山川と、甲乙つけがたい2人の大エースがいます。
前任2人の系譜を継ぐのは篠原。高校時代の実績としては並の選手ながら、大八木さんの薫陶を受けて田澤・芽吹に引けを取らない力をつけた。
ロードの強さに定評があった山川は、全日本8区で渡辺康幸さんの伝説の記録に次ぐ日本人歴代2位の走りで、田澤・芽吹の過去のタイムを超えた。
藤田監督は全日本後に「エースとなるべき人間が2区を走る」とコメントして、「藤田チルドレン」の筆頭である山川の可能性を匂わせ。
篠原だったら「エースが」じゃなくて「エース【となるべき】」ってわざわざ言うかね?っていう説がネット上の駒澤ファンの間では流れてる。
たぶんね、どっちが走っても66分台は出ると思うんです。
なので、他区間も考えてトータルのタイムとしてはどうなのか?を考えた方が良さげ。
2年前に優勝した時だったかな?スピード・スタミナ兼備してる篠原は究極のユーティリティー駒と考えられていて、
他の選手のコンディション(圭汰のケガ、田澤のコロナなどなど)で予定区間がコロコロ変わり、6区の候補に挙がったりもしたことがある。
さすがに山上りはないと思うが...2区でなくても、1区・3区・4区どこでもタイムを稼ぐ役割はできる。
他校、とくに青学のエース級の配置を読んだ上で、勝負駒としてあえて2区以外で使う、という可能性もあるかもしれない。
一方山川は、一昨年経験のある5区か2区かの完全な二択。
上りの強さは各レースで証明済みなので、2区のコース適性で言えば篠原よりも上。加えて、純粋な走力でも篠原に近いレベルになってきた。
じゃあ山川を5区から外した時に代わりに誰が...っていうのが見えないんですよね。
篠原を2区以外で他のメンバーに代えて使うと1分縮められるとして、山川と他のメンバーでは5区では2~3分は違うと思うんだよなぁ。
昨年の金子みたいに、大学での競技生活を山上りだけに賭けて準備してます!って秘密兵器がいるわけでもなさそうだし。
ということで、ボクは2区篠原 / 5区山川派。
田澤と芽吹の背中を追って強くなった篠原に、最後は2区を走らせてあげたい、っていう感情的な面もあるんですけど、
チームとして区間配置の効果を最大化するには山川5区の方が良いのでは。
( )-篠原-( )-( )-山川
( )-( )-( )-( )-( )
◆要素②:圭汰の復調具合は?
さすがに①が長くなりすぎた。以降巻きます。
恥骨を痛めたそうで、出雲・全日本は欠場した圭汰。
順調に回復している...らしい...のだが、青学の大砲三発と渡り合えるレベルまで状態戻っているのかどうか。
昨年のように「圭汰使って負けたらもうダメだ...」は避けたいし、何より将来のある選手なのでムリはさせたくない。
100%の状態に戻っているなら3区。そうでなければ...7区で25年破れていない揖斐さんの駒大記録にチャレンジ、というのはどうでしょうか。
なお、巷で噂になっていて、トークバトルで原監督から牽制の入った1区は大反対。
箱根の1区は失敗しなければOKなので。昨年の篠原のアレでさえ、結果的にはアドバンテージにならなかったんだし。
( )-篠原-( )-( )-山川
( )-圭汰-( )-( )-( )
◆要素③:山下りは選択肢が豊富?
経験者が2人居ます。
昨年下った帰山は、一昨年も下り適正抜群の秘密兵器!として名前が挙がっていた選手。
ですが、序盤の上り部分から動きが硬くて本領発揮とはならず、ここで青学逆転の可能性が完全に潰える形に。
周囲の期待とは裏腹に、帰山本人は大学卒業後の実業団生活も考えて、「山下り専用機」になるのを嫌がってるらしい。
もう1人の経験者は伊藤。一昨年、同じ1年生の帰山の代役として走って、区間賞を獲得して三冠達成の立役者に。
実はこの時、帰山から下り部分についてアドバイスを受けた結果が好走につながったらしいんですよね。
...コレ、今年も同じことできないですかね?
経験者2人からアドバイスもらって、そこそこの走力のメンバーで58分後半くらいで下れないですかね?
10000m以上の実績無いけど13分台持ってて突如エントリー入りした白井が山下り候補として名前挙がってるんですけど、なんとかイケないかな?
そうすると、蒼唯くんも帰山も当時とは違って主力に近い立ち位置になってるので、平地で他校の主力とバチバチやってもらう、って起用ができる。
( )-篠原-( )-( )-山川
白井-圭汰-( )-( )-( )
◆要素④:青学と國學院の両睨み
青学・國學院のTOP2よりも、創価・早稲田・中央などの第2グループにより近い3番手、だと思ってます。
思ってますが、せっかくなので優勝するためにどんな手が打てるのか、で考えたい。
往路でちぎりたい青学と、復路でまくりたい國學院。
両方を制して優勝するには往路にも復路にもキーになる選手を置きたいけど、正直そこまでの選手層ではないわけで…
山下りからコンバートして伊藤と帰山。
期待のルーキー、桑田と谷中。
この4人の中から往路の3区間。
成長した2年生世代から、全日本で活躍した村上と安原弟。
前哨戦出走はないものの、高校時代に実績ある2年生小山と、4年生の意地を見せたい吉本も上尾ハーフで62分台出している。
往路から溢れた1人以外に、2席を4人で争う形になるのかな、と。
で、いろいろ考えた結果がコレ↓。
帰山-篠原-伊藤-谷中-山川
白井-圭汰-村上-桑田-吉本
今年もいまひとつ適任者がいない1区に帰山。
スピードあるし、上尾でハーフでも好成績。出雲2区の思いがけずクレバーな走りが印象的。
「大失敗だけは避けてね」をスターターに求める役割とするのなら、十分なのでは。
で、青学の鶴川・太田(順不同)とのマッチアップになりそうな3区・4区に、格上バフのかかりそうな蒼唯くんと谷中。
勝てなくてもいいからなんとか食らいついてもらって、昨年青学がやられた「あれ、こんなハズでは」を今度はウチが再現したい。
若林にプレッシャーかけられる位置で山川につなぐ、が今年の勝負手になるのかな、と。
ちなみに、圭汰が3区走れる状態なら、圭汰3区で伊藤7区にできるのが理想的。
青学や國學院とのタイム差次第では、伊藤6区山下り緊急投入、っていう勝負手も打てますし(巷で言われてる56分台が出せるとは全く思わないが...)
桑田は、まずは今期は9区あたりで走ってもらうのはどうか。対國學院を考えると、この区間で中押しできる戦力が欲しい。
決して往路から外して期待値低いってわけじゃないですよ。あの平林も、箱根は9区でデビューでしたから。
なんとか29日のエントリー発表までに間に合いました。
さ、今から帰省の荷作りしよう。。。