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親ガチャ論が支持される要因

近年、SNSで親ガチャが度々トレンドに上がることがある。どういった家に生まれどういった親の遺伝子を継ぐかで人生が決まるという意味で、主に若者を中心に支持されている。親の立場からするとショックでもあり腹の立つ話でもあるが、親ガチャは必ずしも親を批判する意味合いで使われるわけではない。親ガチャを使う人の多くは自分の意志ではどうしようもない要因で人生の方向が決まってしまう現代社会に対する諦めから使っている。

現代社会は言わずもがな能力主義で、少なくとも平成に入ってからは一に努力、二に努力といった風潮であった。そんな中で、結果を出せない人間は努力不足であり落ちぶれることは自己責任とされた。しかし、近年になって親の経済力や教育、または遺伝子が子供に大きな影響を与えることがネットをはじめメディアで盛んに喧伝されるようになった。結果として、そういった情報を見聞きした若者たちがスマホゲームによくあるガチャシステムと紐づけ親ガチャと言い始めた。

結局のところ、人によって能力は異なるのに入学試験や仕事で求められる結果が同じというところに若者たちは不満と諦めを感じている。
この現象はただの甘えと言って片づけてよい話ではない。

つまり、努力しても意味がないと考える人々が増えれば、大きな視点で見て経済成長に悪影響が出る。かつて社会主義国は労働者がいくら努力しても給料が増えず評価もされないことから、人々は怠け結果的に経済は低迷し国家体制が崩壊した。今の日本の場合、能力の高い人間はより成果を出すために努力していくが、そうではない人間の場合怠けるようになる。人手不足の現代にそれは致命的な結果をもたらすだろう。


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