不審者が階段をUターンした話
夜9時半ごろ用事があって部屋を出てカギを閉めていると、道の方から自転車を倒したかのような音が聞こえた。音のした方を見ると背の高い人が見えた。音のした原因はわからなかったが、こちらのドアの音に気付いたのかその人はこっちを眺めていた。あんまりジロジロ見るものでもないし、背の高さから、真下の部屋の馴れ馴れしくて野良猫にエサをやっているであろうジジイかと思ったのでそれ以上見ることはしなかった。だが、相手はずっとこちらを見ていた。
階段を降りると、男はこちら向かって歩いてきていた。やた