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私について@高校生〜社会人

高校は家から離れた私立の女子校にした。
知らない人ばかりの新しい環境。
自分がハーフであることを
知らない人たちの世界に行きたかった。
やっと…
普通の日本人と同じになれた、と思った。
今思えば浅はかだったな、と思うけど。
17歳の時に、はじめての彼氏もできた。
初恋の相手がはじめての彼氏になる。
それまでの人生で一番幸せな時だった。
電車通学で私を見かけて、一目惚れしたらしい。告白は彼からしてくれた。
年はひとつ下だったが背の高い、いわゆるイケメンで、彼のファンも多かったのを知っていた。

驚くことに彼は同じ地元だった。
彼は中高一貫の名門校に通っていたから
お互いの中学時代を知らなかった。
彼は私がハーフなのも何故か知っていた。
そのうえで告白をしてくれたのが
とても嬉しかった。
私の母とも仲がよかった。
でも、彼のお母さんには
あまりよく思われていなかったようだ。
私から電話をすると、切られてしまうから。

彼とは17歳から20歳になるまで付きあった。
私のはじめての彼氏には、わたしの様々なはじめて、を捧げた。
私が高校を卒業してから、2年目。
私は会社員。彼も大学生になっていた。
ある時、家に彼のお母さんから
電話がかかってきた。
「率直に言います。息子と別れてください。」
「高校生の頃は仕方なく黙認していたけど
長く付き合えばお互い傷つくだけだから」
「息子には普通の家のお嬢さんとお付き合いしてほしいんです。」

ショックだった。
うちは、普通、ではないのか。
好きな人を好きなだけではダメなのか。
深く傷ついた私は、その日を堺に彼を拒絶した。
家を出て、会社の寮に入り
別れの言葉も言わず、彼の前から姿を消した。
彼はその後も何度か家に来たりしたらしいが
母には、本当のことを言わず、彼を嫌いになったから別れたのだ、と伝えていた。
今でも昔ばなしになると、
母は彼の話をする時があるけど
「あのこ、いいこだったのに。
 彼と結婚するのかと思ってた。」

風のうわさで彼も結婚して
2児の父親になっているそうだ。
彼には幸せになってほしい。
理由も言わず姿を消してごめんなさい。

真相は、一生胸の中に…


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