
時折最高:048 Roberto Cacciapaglia , Ann Steel - Measurable Joys (1979)
↑ 歌詞
初めて聴いたのは2000年代の半ばだったと思いますが、こんなに尖って狂った曲があったんだぁ、と驚きました。
でなんじゃこりゃ?、とこの曲を紹介していたネットのページを見ると、イタリアの現代音楽作曲家、Roberto Cacciapagliaという人のアルバムの一つらしい、と。そして歌っているのはAnn Steelという女性らしい、と。
Ann Steelについて(Discogsのプロフィールから)
Little or nothing is known about Ann Steel after the European boom of My Time; Ann was the one who broke the rule in a family of musicians. Laureate in mathematics, specializing in Renaissance music, Philosopher and lover of poetry, she went from reciting in musical comedies in the medieval theater of Boston to be a classical dancer in a French type cabaret, in the same city. One of her great aspirations was to become a classical pianist musician, instrument she studied for 10 years.
「My Time」という曲がシングルでリリースされ、それなりにヒットしたらしいのですが・・・。アルバムでは1曲目に収録されています。
↑ 歌詞
シンセポップのスタイルをとっているのですが、シンセの音色がポップスじゃないんですよね・・・。この電子音のセンスは、いわゆるクラシックの現代音楽畑から来ているのだと思います。この超ミスマッチなはずの組み合わせが唯一無二のアルバムを生み出したのだと思います。
Roberto Cacciapaglia
イタリアの作曲家。70年代半ばからレコードをリリースしています。
1975年
これが1975年で最初のもののようです。
1979年
このアルバムとAnn Steel Albumが同じ時期のようです。
他のアルバムを聴いてみても、Ann Steel Albumほどに振り切れたものはありません。アンビエントな雰囲気もミニマル音楽要素も多分にある現代音楽作品が多いです。
1992年
これはちょっと異色で、英語圏の有名なロック曲のカバー集ですが、クラシックとヒップホップと現代音楽がごちゃ混ぜになったような挑発的なアレンジです。選曲だけは「監獄ロック」「黒く塗れ」「ハートに火をつけて」「アナーキー・イン・ザ・UK」とかなんですが、ミサ曲に聞こえたりします(笑)。
イタリアにはFranco BattiatoとかRoberto Colomboとか、現代音楽とポップを跨いだようなアーティストがいて、そのあたりに興味を引かれます。アメリカでもPolyrockと共演していたPhilip Glassの例はありますね。
ということで、今日の気分はなんとなく、尖って素っ頓狂な「Measurable Joys」でした。