Kindle Unlimitedで古典籍はどこまで読めるか?
そもそものきっかけは・・・
以前「英語の本を読む」という記事を書きました。
元々がAmazonはアメリカの会社ですし、英語書籍に強いのは当然とも言えます。読み放題サービスを活用すると、まあ教材用の本に困ることはありません。もちろん趣味・娯楽目的でも十分以上の量にアクセスできます。
その後たまたま、南総里見八犬伝の新訳が出たのをきっかけに、国書、すなわち日本の古典籍に関心が向きました。
そして、過去の国書が読めないというのは、日本人として非常に損をしているという思いに至りました。学校教育でも学習する漢字の数が減り、当用漢字として簡潔な(しかし本来の意味を失った)字体を教えられ、100年前の書籍も読みにくいものになってしまっています。これは陰謀ではないか?、との思いも募ります。
そこで、今からでも古典籍を読めるようになろうと思ったら、どこまで可能なのだろうかという疑問を持つに至りました。
どこから手を付ければいいのだろう?
古典については高校の古典、漢文の授業以降は特に勉強していません。漢文はもう読めなくなったかも・・・。古語辞典も捨ててはいないはずですが、手元にはないなあ・・。
くずし字とか変体仮名とかって、どう手を付ければいいんでしょうか。
参考書を探してみました。
随分値段が違う辞書が出てきました。
何が違うんでしょ?
探していると、上記の本が目にとまりました。
おお!、なんとこの本は、くずし字を読んでみたいけれど、そもそもどこから手を付ければいいのかも分からない、という人向けです。
くずし字辞典の種類、どんな時にどんな辞典を使うか、そもそもどうやってくずし字辞典というものは使うのかという、辞書の引き方から解説してくれています。
うむ。これは私向きな気がします。
お、これは安い。
かなのくずし字に絞った本みたいです。
まずはかな、それから漢字と覚えていくのが良いらしいので、これも入手。
最初は「くずし字辞典を引いて古文書を読もう」に従いながら、くずし字辞典を引けるようになろうと思います。
目標をどこにおくか?
今のところ、多少なりともくずし字で書かれた古典籍が読めるようになりたい!、という漠然とした思いがあるだけです。では読めるようになったとして、何を読むのか?
有名どころでは「源氏物語」などの名前が浮かびますが、活字本で読んでも古語としてはやや難しめの本ですよね。高校では結構苦労しました(笑)。
最近話題の「平家物語」? なかなか感動的とも言われていますがどうなんでしょう?
「南総里見八犬伝」や「東海道中膝栗毛」などの江戸期娯楽小説は是非読みたいですね。また黄表紙や滑稽本などの笑いに関する本は特に趣味に合います。以前現代教養文庫から「江戸の戯作絵本」というシリーズで黄表紙が出ていて、色々アナーキーな作品群に興味を持ちました。今は安価に手に入る黄表紙本はないのかな?
「万葉集」くらいの時代になると、ひらがな以前の万葉仮名という知識が必要になるのかも知れません。後世の仮名本もあるようですが・・・。
そして外せないのが「古事記」「日本書紀」。
「古事記」については、まず本居宣長の「古事記伝」が読めるようになりたいです。
「日本書紀」は漢文でしたっけ?
これは原文は諦めてます。記録文書だから面白みはないだろうし・・・。優先度低め。活字本を読むことがあったらその後考えましょう。
和歌集が一番Kindle本でも手に入りそうです。
でも実はそれほど歌集への熱意がなくて・・・。
詩よりは物語、小説を優先したいのです。
となると「堤中納言物語」とか「伊勢物語」とか「栄花物語」とかでしょうか。「竹取物語」も外せませんね。日本最初のSF。
さて、こんな漠然とした目標に対して、Kindle Unlimitedは訳役に立ってくれるでしょうか?
その他参考になる情報源は?
そもそも、日本の古典籍って、どんな本があるの?、という情報から考えるべきなのかも知れません。
実はカタログが存在します。岩波書店が刊行した「国書総目録」です。
国書総目録
上記サイトから8巻+著者別索引の9冊がPDFでダウンロードできます。
ただこれは書名が分かるだけで、内容までは分かりません。
国文学研究資料館
「古典に親しむ」のコーナーを覗いてみると、実物の古典籍はどんな姿をしているのかを見ることが出来ます。
国書データベース~唯一の日本古典籍ポータルサイト
2023.03に「日本古典籍総合目録データベース」 (館蔵和古書目録データベースを含む)と「新日本古典籍総合データベース」を統合し、新システムとして稼働したようです。
人文学オープンデータ共同利用センター
くずし字データベース検索
今回検索していて見つけたのですが、結構いろいろなデータを公開しているようで興味深いです。
う~ん、研究者なら役立つであろうデータはじわじわ充実してきているようなのですが・・・。
文庫本の解説目録みたいなのが欲しいんですよね・・・。
実はどこかにあるんでしょうか?
今後の課題です。
Kindle Unlimitedで日本の古典籍はどこまで読めるか?
多分これから検索方法を見つける作業と並行して、ちょっとずつ探していこうと思います。
本日は、とりあえず見つかったものから。
源氏物語 (全54巻) 紫式部 (著)
伊勢物語 (全2巻) 不詳 (著)
宇津保物語 (全21巻) 不詳 (著)
栄花物語 (全40巻) 不詳 (著)
因果物語 全6巻 (シリーズ化されていません)
好色一代男 (全8巻) 井原西鶴 (著) , 菱河吉兵衛師宣<菱川師宣> (イラスト)
古事記伝 本居宣長 (著) 全44巻 (シリーズ化なし)
実はお伽噺が初学者に向いているのか?
子供向けと思われる、絵本のようなおとぎ話シリーズがありました。
文字数も少ないので、最初にくずし字を眺めるにはいいかも知れません。
作者別に、いくつかの作品をリンクしておきます。
沢久次郎
堤吉兵衛
小森宗次郎
初心者の私は、絵を楽しみながら、書かれているくずし字をじっくり眺めるところから始めるのがいいのかも知れません。
まずはくずし字辞典を使えるようにならないとな~~~~。
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