インバウンドガイド業務に繁閑の差が無くなった!?
2024年の訪日客数は3600万人を超え、過去最高になりました。通訳案内士への需要も高まり、人手(ガイド)不足の様相すら呈しています。
かつて通訳案内士は「季節労働者」と呼ばれ、春と秋の観光シーズン以外の時期は、仕事が激減するという傾向がありました。そのため収入が安定せず、統計上ガイド業務は年収が低くあらわれるという問題がありました。
ですが、昨今では状況が変わってきたと感じます。繁忙期に忙しいのは従来以上ですが、以前のような極端な閑散期は、もう存在しないと言えるのではないでしょうか。
通訳案内士にとっては有難いことに思えますが、本当にプラスのことばかりでしょうか?本記事では、最近の状況も踏まえて、このことを深く考えてみたいと思います。
仕事に繁閑の差が無くなった
JNTO(日本政府観光局)が今年1月15日に出したプレスリリースによると、2024年の訪日外国人の数は、推計3687万人と過去最高です。特に12月は単月で349万人と、単月での過去最高記録となったようです。(以下のグラフ参照)
驚きませんか?12月と言えば、欧米人はクリスマスで忙しく、従来であればガイドにとって比較的暇な時期であったはずです。それが単月で過去最高を記録するとは。250万人レベルから350万人へと、何と40%増です。
JNTOのグラフを見ても、2023年1月以降、季節に関係なくほぼ右肩上がりで月間訪日客数が増え続けています。コロナ以前(2017~2019年)は、4月・7月・10月にピークがありますが、2024年3月以降は、どの月をとっても2019年のピーク月と同等またはそれを超える数字になっています。
つまり、今やほぼ常に、コロナ前のピーク時以上の訪日客がいるということです。一方で、コロナ期間中に多くのガイドが廃業してしまったため、ガイド数はあまり増えていません。ガイド業務に、過去のような繁閑の差は無くなったと言えるでしょう。
真夏も仕事、真冬も仕事?
これを「仕事がたくさんあって良かったね!」と、手放しに喜んでいられるでしょうか?コロナ以前でも、桜や紅葉の季節には、休む暇も無かったというガイドさんがいらっしゃるはずです。それが年間を通じてとなったら、どうでしょうか?
例えば7月。最近の日本では、梅雨明け後の気温は35度を超える猛暑です。そんな中で連日屋外でのガイド業務に従事していたら、いつか倒れてしまうでしょう。せめて業務は一日おきにするなど、程度に休みをとらないと、健康を害する恐れがあります。
12月も、以前なら比較的時間に余裕のある時期というイメージがあるのですが、昨今は毎日のように仕事があります。年末はプライベートも忙しい時期ですから、自分の時間も確保したいところです。お正月ともなれば、家族の時間を大切にしたいでしょう。
本当は休みたいときでも、いつもの旅行会社からガイドの依頼があると、なかなか断りづらいものです。「これを断ったら、次にお声が掛からなくならないか…」と考えると、つい引き受けてしまいがちです。そうして、自分の予定を変更したり、休日返上で働いてしまったりすることになります。
仕事量をコントロールして、自分の時間を確保するには
出来るだけ仕事を増やして収入を増やしたい、という人は、それでもいいでしょう。ですが、仕事量はほどほどに、自分の時間も大切にしたいという方にとっては、忙しすぎるのは困ったことです。では、自分で自分の仕事量をコントロールするには、どうすれば良いでしょうか。
先ず、依頼された案件を何でもかんでも引き受けるのは、他人に自分の時間を委ねているのと同じです。自分なりに「仕事の基準」を設定して、基準に合うか合わないかで、引き受けるかどうかの判断をしましょう。
「そんな選り好みをしていては、仕事をもらえなくなってしまう」という方は、取引先を増やしましょう。フリーランスの利点は、組織に縛られずに自由な仕事の仕方ができる点にあったはず。特定の取引先の影響力が大きくなり過ぎないよう、取引先の数や取引先との距離感を適切に保ちましょう。
その究極の形が、個人客を直接集客するという方法です。自前のWebサイトで集客するのであれば、仕事を休みたい日は、あらかじめカレンダーをブロックしておくだけですそうすれば、その日に申し込んでくるお客さんはいません。
訪日外国人数が右肩上がりの現在、Web集客を中心にして仕事を確保することは十分可能です。旅行会社の中には、いまだに驚くほど安い報酬でガイドを使っているところを見かけます。不満をかかえて仕事をするより、新しい世界にチャレンジしませんか?このNoteでは、そういう皆さんを応援する記事を、順次アップしていきます。
まとめ
今回は、「訪日観光客数が右肩上がりで、いつでもお客さんがいる状態になった。今こそ個人サイトでの集客を始めて、自分の自由な時間を取り戻そう」でした。
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